2017 Fiscal Year Annual Research Report
Causative Gene of Chronic Intestinal Pseudo-obstruction
Project/Area Number |
15K10918
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
照井 慶太 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70375773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00244541)
吉田 英生 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60210712)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 慢性特発性偽性腸閉塞症 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性特発性偽性腸閉塞症(CIIP)は乳児期に発症し,進行性の腸閉塞症状を呈する稀な疾患である.我々は極めてまれなCIIP父子例を管理中である.父子は同一の症状を呈し,かつ4世代に渡る家系調査では本父子以外に発症者はいなかった.そのため,少なくとも本症例は突然変異を発端とした単一遺伝子疾患である事が有力となった.そこで同一家系内のCIIP罹患者と非罹患者の遺伝型を比較し,次世代シーケンサーを用いた網羅的ゲノム解析により原因遺伝子を探索した.しかし父の母が既に没後であり,生前に行われたリンパ節生検検体からDNA抽出を試みた.その抽出されたDNAの質が悪く,原因遺伝子を十分に絞り込むことができなかった. 一方,CIIPの既知の遺伝子異常としてACTG2 (Enteric smooth muscle actin γ-2),MYH11 (myosin heavy chain 11)が知られている.そこで,ACTG2,MYH11についてCIIP罹患者と非罹患者とで比較を行った。罹患者にあって非罹患者にない変異はACTG2で8つのSNV(Single Nucleotide Variant),MYH11で6つのInsertion & Deletion,13のSNVであった.この内,Exon上に変異があったのはひとつだけ(rs1050113)であった.ただSNPのReferenceを調べてみると,このrs1050113はマイナーアレルがホモ(A/A)の確率が8.9%であった.CIIPの原因として単一遺伝子を想定しているが,人類の8.9%にみられる変異では仮説に合致しないため,本症例の原因としては認められないと判断した.
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