2015 Fiscal Year Research-status Report
プロテオミクスを用いた小児炎症性腸疾患の新規マーカーの探索
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15K10920
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内田 恵一 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (30293781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 幹大 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30422835)
大竹 耕平 三重大学, 医学部, 助教 (40378344)
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 小児 / プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
潰瘍性大腸炎手術症例の腸管新鮮凍結標本粘膜からタンパク抽出し、ペプチド溶液のFractionationを行い、Mass spectrometryでの解析とタンパク質の解析を行う。得られたペプチドのデータをタンパク質のデータベースと照合し、タンパク質を同定する。正常腸管組織と本症に罹患した腸管組織での発現の差を解析し、腸管組織に有意に発現の多いタンパク質を新規バイオマーカーの候補としてピックアップする。その後、当科で経験した新生児・乳児期から成人までの手術例170例の腸管組織、血清サンプルを用い、免疫染色,ウエスタンプロットにて新規バイオマーカーの発現の有無の検証を行う.さらに、multiple reaction monitoring(MRM) proteomicsと血清サンプルを用い、今後、診断マーカーとして,測定可能かどうかを評価する計画である。 研究実績では、潰瘍性大腸炎の小児症例と成人症例、他の良性外科疾患手術例の組織の摘出腸管新鮮凍結標本粘膜から蛋白を抽出し、タンパク濃度を測定するとともに、タンパク質の沈殿を行い乾燥させる。その後ペプチドへの消化をおこない、C18カラムを用いてペプチド溶液のFractionationをい、それぞれの分画をfreeze dryした。 Mass spectrometryの準備を行い、サンプルをMass spectrometryで解析し、得られたペプチドデータを解析ソフトを用い、タンパク質のデータベースと照合し蛋白質を同定した。そして、正常腸管組織と本症に罹患した腸管組織でのタンパク質の発現の差を解析し、本症腸管組織に有意に発現の多いタンパク質を新規バイオマーカーの候補としてピックアップした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸管新鮮凍結標本粘膜からのタンパク抽出に時間を要しているがおおむね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
多数の小児症例・成人症例の腸管組織,血清サンプルを用い、免疫染色、ウエスタンプロットにて新規バイオマーカーの発現の有無の検証を行う。また、予後との相関も同時に検討し、新規バイオマーカーと予後との関連性を評価する。 腸管新鮮凍結標本粘膜からタンパク抽出が計画通りに進まない場合、豊富なFFPE標本から蛋白抽出を行う。潰瘍性大腸炎症例では、マクロ、ミクロのレベルで病理組織学的にFFPE標本の状態を確認し、標本ブロックから壊死のない本症組織3例の腸管粘膜を、microdissectionを用いて摘出する。コントロールとしては,他の良性外科疾患手術例のFFPE3例(=正常腸組織)を用いる。
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Causes of Carryover |
タンパク抽出での消耗品の一部が当初の計画よりも少なく済んだため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も、タンパク抽出やペプチド消化過程での不足する消耗品購入に使用する予定である。
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