2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒト及びマウスリンパ管腫モデル動物の生物学的特性解析及び病態発生機序の解明
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15K10928
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
藤野 明浩 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臓器・運動器病態外科部, 医長 (50306726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 再生医療センター, 副所長/再生医療センター長 (70213486)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リンパ管疾患 / リンパ管奇形 / リンパ管腫 / モデル動物 / 遺伝子導入 / 不死化細胞 / 前臨床試験 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症・難治性のリンパ管腫(リンパ奇形)は有効な治療法がなく、患者QOL改善のため世界中で新たな治療法開発が待たれている。我々はリンパ管腫切除組織より確立したリンパ管腫由来リンパ管内皮細胞株をマウスへ移植することによりヒトリンパ管腫モデル動物を得たが、これを元に既存のマウスde novoリンパ管腫モデルの生物学的特性を検討し、ヒトリンパ管腫発生の機序の解明及び新規治療への応用を模索する。既にヒトリンパ管腫由来細胞株の遺伝子発現プロファイル解析にて発見された遺伝子異常につき、両モデル動物を用いてその意義を検討する。現時点までに以下の成果を得ている。 (1)リンパ管腫患者由来リンパ管内皮細胞株(Human lymphangioma-derived lymphatic endothelial cells, HL-LECs)の収集:手術による切除検体から新たに6株の初代培養細胞株を得た。(2)ヒトリンパ管腫モデル動物の確立:HostとしてNOGマウス、NOD/SCIDマウスを検討し、NOGマウスが適当であることを確認した。(3)3D in vitroリンパ管腫モデルの検討:ゼラチンを用いた in vitroの3Dリンパ管(リンパ管腫)モデルの最適化を検討し、いくつかの薬剤の効果を確認した。(4)治療に用いられているOK-432のリンパ管内皮細胞への直接的な影響を検討し、内皮細胞による取り込み、遺伝子発現プロファイルを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度途中で研究代表者の所属異動の影響を引きずり、研究計画に遅れを生じている。また培養細胞の大規模の感染があり、一時培養を完全停止せざるを得なかった。最終年度までに取り戻せるよう計画を進めていく予定である。 しかしながら大きな流れの変更はなく、今年度までのの主な成果は以下である。 (1)リンパ管腫患者由来リンパ管内皮細胞株(Human lymphangioma-derived lymphatic endothelial cells, HL-LECs)の収集 (2)ヒトリンパ管腫モデル動物の確立 (3)3D in vitroリンパ管腫モデルの検討 (4)OK-432のリンパ管内非細胞への影響の検討
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Strategy for Future Research Activity |
今までの成果をふまえて以下の研究を進める。徐々に臨床へ近づけることを念頭においている。 1、リンパ管腫モデル動物を用いた各種薬剤効果の検討 2、in vitroリンパ管腫モデルにおけるリンパ管形成能の検討 3、リンパ管腫患者由来リンパ管内皮細胞株(Human lymphangioma-derived lymphatic endothelial cells, HL-LECs)の収集 1は確立したモデルを用いて治療に役立てるための重要な研究であり、結果を積み重ねていく。2はまだ検討が十分とは言えないが、各種の実験を繰り返しつつ、モデルとして最適化していく。その中でリンパ管腫の嚢胞形成機序に迫りたい。3細胞株はがん細胞ではなく有限であるので、貴重な臨床検体からの株樹立は引き続き行っていく。 以上のことを最終年度に行っていく予定である。4は遺伝子発現プロファイルを得ることができたので、細胞内での変化をまとめる。
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Causes of Carryover |
一部本年度着手できなかった研究があったため、その分は繰り越しとなった。 (使用計画) 最終年度終了時に計画通り研究を終えるように、研究費を使用する見込み。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] 出生前診断されたリンパ管腫(リンパ管奇形)症例における発見時在胎週数と予後の検討について2017
Author(s)
藤野明浩,小川雄大, 朝長高太郎, 野村美緒子, 竹添豊志子, 大野通暢, 渡邉稔彦, 田原和典, 菱木知郎, 金森豊, 杉林里佳, 左合治彦
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Journal Title
日本周産期・新生児医学会雑誌
Volume: 53
Pages: 5050-505
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[Presentation] 出生前診断されたリンパ管腫(リンパ管奇形)症例における発見時在胎週数と予後の検討について2017
Author(s)
藤野明浩,小川雄大, 朝長高太郎, 野村美緒子, 竹添豊志子, 大野通暢, 渡邉稔彦, 田原和典, 菱木知郎, 金森豊, 杉林里佳, 左合治彦
Organizer
第53回日本周産期・新生児医学会総会および学術集会
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