2016 Fiscal Year Research-status Report
ヒルシュスプルング病の新規バイオマーカー探索:新たな外来神経増生機構に着目して
Project/Area Number |
15K10929
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮原 克 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 技術員 (00420844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山高 篤行 順天堂大学, 医学部, 教授 (40200703)
田中 奈々 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50530656)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒルシュスプルング病 / 腸管神経 / 感覚神経 / サブスタンス P / CGRP |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒルシュスプルング病(H病)は先天性に腸管神経系が欠如する疾患であるが、肛門直腸移行部における感覚神経の解剖学的位置を評価した報告は極めて少ない。H病に対する根治手術の際、肛門・直腸線(ARL)は肛門直腸移行部の境界として観察され、ARLより肛門側は排便機能(肛門の感覚)において特に重要な位置であり、根治術において正確な切除開始位置を決定することが術後の排便機能障害を避けるためには重要であると考えられている。今年度において我々は腸管神経系が直接観察できるSox10-Venusトランスジェニックマウスを使用し、作製されたエンドセリンレセプター遺伝子欠失マウス(H病モデル)と野生型(WT)マウスを用いて肛門直腸移行部における腸管神経と感覚神経の分布を以下の様に観察、検討した。 まず蛍光実体顕微鏡を用いた観察において、ARLが肛門組織の境界であるということ、腸管神経においてもおおよその終了地点であることがすべての個体で観察された。次にH病モデルマウス、WTマウスそれぞれ肛門管と周囲組織のそれぞれの検体を採取し切片を作成、感覚神経のマーカーである抗サブスタンスP(SP)抗体と抗CGRP抗体を用いて免疫染色を施行、SPとCGRPの発現を共焦点レーザー顕微鏡で撮影し画像解析ソフトにより発現輝度と面積を算出し発現量を比較した。 結果は全ての個体で、肛門管内のSPとCGRPの発現は明らかに直腸よりも強く発現していた。またH病、コントロール群の両者の肛門管内のSPとCGRPの発現に差は見られなかった。 今回の検討で肛門直腸移行部の感覚神経系はH病においても肛門の感覚系は正常と同様に保たれており、肛門管内はSPとCGRPの発現が直腸より強く発現している事を明らかにした。H病の肛門直腸移行部における腸管神経系・感覚神経の詳細な分布を確認し得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はモデルマウスを用いた免疫染色による組織学的解析によりヒルシュスプルング病神経分布の新しい知見を確認し得た。これまでのヒルシュスプルング病根治術における直腸・肛門移行部の手術開始部位は臨床の現場において経験から推測されたものであり、今回の結果は組織学的研究から臨床応用可能な有用な結果を得る事が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においてもこれまで使用しているモデルマウスを継続して使用する。疾患の有用なバイオマーカーを探索するため、モデルマウス胎生期における腸管神経堤細胞の発生過程の異常原因を探ることが不可欠である。本モデルマウスの扱いや形態学的解析になれている実験助手に標本採取などを依頼し効率よく実験を進める予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた学会・講習会に参加することができなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫染色・ウェスタンブロットのための試薬・器具購入を予定している。
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Research Products
(3 results)