2017 Fiscal Year Annual Research Report
MicroRNA and macrophage dysregulation: role in prolonged inflammation of chronic non-healing wounds
Project/Area Number |
15K10943
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
マドゥエスタ ラダ 宮崎大学, 医学部, 助教 (80381078)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microRNA / マクロファージ細胞 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織の修復には組織障害により起こる急性炎症反応が重要である。特に炎症期に補充される貪食細胞(マクロファージ)が組織修復に重要な役割をもつ。創傷治癒初期にマクロファージは炎症促進性のM1形質を持ち、炎症期後半に抗炎症性のM2形質に変換する。マクロファージのM1からM2への変換が創傷の増殖期への進展にとって重要である。しかし、糖尿病性創傷を含む難治性創傷では、マクロファージのM1からM2形質への変換が障害されていることが明らかとなっている。難治性創傷部位に存在する炎症促進性M1マクロファージの持続性に関与する因子がいまだ不明である。最近、低分子RNAであるmicroRNA (miRNA)が様々な疾患に関与することが次々と明らかになってきた。本研究では,難治性創傷においての炎症期の遅延に対しmiRNAの役割を明らかにすることにした。細胞炎症に関連する幾つかのmiRNAを検定したところ、miR-21がマクロファージのM1(炎症性)マーカー蛋白質であるTNFalpha, iNOS, IL-6, IL-1bの発現増加とM2(抗炎症性)マーカー蛋白質であるIL-10, IL-4, Arginase1 の発現低下を及ぼすことが分かりました。抗炎症性機能を持つM2マクロファージにmiR-21の前駆物質を導入した実験ではmiR-21の影響でM2マクロファージがM1(炎症性)へ形質変換されることがわかりました。一方、miR-21は創傷治癒に重要である繊維芽細胞の細胞増殖・遊走を促進することが確認できている、だが、マクロファージ細胞では炎症を起こして炎症期遅延に影響を及ぼすことが確認できた。更に、miR-21がRANKLによるマクロファージの破骨細胞分化に重要であることと、抗炎症作用を持つaloin(アロエ由来成分)により抑制されることが確認した。
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