2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K10953
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
清水 一彦 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90385394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 正恵 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00241068)
菊田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10367089)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | podoplanin / ケモカイン / リンパ節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、機能的リンパ管とリンパ節の再生機序を明らかにすることを目的として、①移植リンパ節の形態学的解析、②創傷モデルを用いたリンパ管マーカー陽性細胞の形態・機能解析、の2つのモデルを用いて研究を進めている。 29年度、①に関しては形態学的解析をまとめ、さらに発展させてリアルタイムPCRを用いた、リンパ管新生に関わる因子等について移植後1~4週にかけて経時的に解析を行った。その結果、移植後1週目に関しては検索したほぼ全ての因子で発現が極端に減少していた。また、2週目には血管新生誘導因子の1つであるAngiopoietin2やリンパ管内皮細胞増殖因子VEGFcの発現が上昇していた。さらに、podoplaninやCCL2の発現も上昇しており、移植リンパ節内が不安定な状態である事が伺えた。移植後4週目には検索したほとんどの因子の発現量が低下していた。以上の結果から、移植リンパ節の再生において最もダイナミックな変動がある時期は移植後2週目である可能性が考えられた。 ②に関しては、昨年度検討したpodoplanin中和抗体の投与法を用いてpodoplanin機能阻害解析を行った。まず、抗podoplanin抗体の投与がpodoplaninの発現に影響を及ぼすのかを検討したところ、コントロールと比べて差異はなかった。podoplanin抗体の投与でCCL2の発現が減少し、それに伴いCD68陽性細胞の数も減少することを昨年度報告したが、それ以外にもMMPの一部が減少した。また、TGF-betaやIFNγなどの発現には影響がなかった。以上の結果から、podoplaninは大食細胞系を介して炎症に関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①GFP動物を用いて移植リンパ節へ流入する細胞動態を追跡する予定であったが、他の遺伝子組換え動物のクリーニングなどでスペースの問題があり本年度は十分なデータが得られなかったため、若干計画に追加してリアルタイムPCRによる発現因子の解析を行った。 ②に関しては概ね順調に推進している。現在、発現条件やpodoplanin陽性細胞の正体も検討中であり、論文投稿の準備も行っている。 以上の事から①に関してやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
①移植リンパ節の形態学的解析 30年度は、GFPマウスを用いて移植リンパ節内でどの様な細胞動態があるのかを観察すると共に、最終年度であるため、論文投稿の準備を行う。 ②創傷モデルを用いたリンパ管マーカー陽性細胞の形態・機能解析 受傷後に発現するpodoplanin陽性細胞の正体について確証が持てるようさらに検討し、さらにpodoplaninの発現条件についても検討したい。また、現在論文投稿の準備を行っているため、30年度中の投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
29年度、動物飼育環境の理由から遺伝子組換えマウスの購入・実験を十分に行うことが困難であった。また、国際学会発表の準備や他の職務などで実験データをまとめる時間を多く取られ、次年度使用額が生じた。 30年度はマウス及び試薬の購入と論文校閲料、論文投稿料に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)