2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K10963
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
井上 啓太 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80618520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 雅裕 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (00285793)
三枝 紀子 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10642639)
秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (70222552)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / 免疫療法 / 樹状細胞 / ブタ / 皮弁 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん免疫皮弁は頭頚部癌や乳がん切除同時再建にもちいる筋皮弁内に腫瘍免疫を付加した樹状細胞を注入し、移植することで残存腫瘍を制御しようとする概念である。平成28年度は平成27年度に引き続き、静岡がんセンター免疫治療部において、ラット細胞を用いた細胞挙動の追跡実験をおこなった。皮弁内にGFPによりラベリングした細胞を注入し、蛍光顕微鏡により観察した。これによりGFP陽性細胞が皮弁内や周辺組織内に分布していることがわかったが、蛍光のバックグランドが強く正確な解析はやや困難であった。今後は抗GFP抗体を用いた免疫染色などにより細胞分布を同定する必要があると考えられた。また、平成28年度はがん免疫皮弁の臨床応用の実施を視野におき、ヒトに近い動物をもちいて皮弁を作成し、細胞を安全に注入できるかを検証する必要があった。そのため、非臨床試験の予備実験として、自治医科大学先端医療技術開発センターにおいてブタを用いた皮弁モデルの開発をおこなった。ブタ(家畜豚15kg前後)6頭を用いて実験を行った。ブタを全身麻酔下におき、鼠径部において浅大腿動脈分枝を露出した。浅大腿動脈分枝を系とした皮弁は鼠径部に最大で20*20cm程度作成可能とみられた。細胞注入部位と想定される血管吻合部の血管径は1.5mmから3mm程度であり、ヒト皮弁に近似していることがわかった。また、同部において顕微鏡下に微小血管吻合実験もおこない、成功した。ブタ鼠径部皮弁はがん免疫皮弁のモデルとして使用可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ブタを用いた手術および術後観察は順調であったが、組織分析に予想外に時間がかかった。また、ラットを用いたGFP陽性細胞の解析手法を確立できなかったため、当初計画しているたGFPブタを用いた細胞実験を開始できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は前年度に引き続きブタ実験を実施する。前年度実施できなかった完全に遊離した皮弁の作成と再移植および、免疫細胞の移動経路になるであろうリンパ管の解析を行う予定である。また、前年度に実施できなかったGFPブタを用いた実験も引き続き試みる予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に実施予定であったGFPラット・GFPブタ実験の一部を実施できなかったことにより余剰金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度に実施できかなかったGFPラット・GFPブタ実験の一部を引き続き実施する予定である。
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