Novel cancer immunotherapy: Application of Immuno-flap

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K10963
• Research Institution: Jichi Medical University
• Principal Investigator: 井上 啓太 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80618520)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中川 雅裕 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (00285793) ; 三枝 紀子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (10642639) ; 秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (70222552)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 腫瘍免疫 / リンパ管 / リンパ管静脈吻合 / 免疫皮弁

Outline of Annual Research Achievements

がん免疫皮弁は頭頚部癌や乳がん切除同時再建にもちいる筋皮弁内に腫瘍免疫を付加した樹状細胞を注入し、移植することで残存腫瘍を制御しようとする概念である。平成２８年までは、ブタを用いた皮弁作成が可能であるかの検証をおこない、皮弁モデル動物として使用可能であることが確認できた。さらに、平成２９年度はがん免疫皮弁のリンパ流の解析および、腫瘍免疫反応の強化を視野におき、自治医科大学先端医療技術開発センターにおいてヒトに近いブタをもちいて皮弁周囲組織のリンパ流の解析をおこなった。まず、ブタ（家畜 豚15ｋｇ前後）２頭を用いて実験を行った。ブタを全身麻酔下におき、インドシアニングリーンを足部に注入し近赤外光カメラを用いて、リンパ流を観察した。皮膚切開により、リンパ管を露出したところ、リンパ管は膝レベルで皮下脂肪内に１０本以上確認することができた。リンパ管直径は0.3ｍｍから0.5ｍ ｍ程度であり、ヒト皮弁に近似していることがわかった。また、免疫皮弁中のリンパ管と静脈を吻合することで、より効率的な腫瘍免疫反応を惹起できる可能性がある。皮弁採取部において顕微鏡下にリンパ管静脈吻合実験が可能であるかの検証もおこなった。吻合は4か所についておこなった。2週間後に組織を摘出ししたところ、吻合部が開存しているものが1例あった。技術的な改善により、開存率の向上が望まれたが、ブタがん免疫皮弁モデルのリンパ管も解析可能であることがわかった。