2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating the changes in anti-coagulation ability in vascular endothelial cells during acute phase traumatic coagulopathy
Project/Area Number |
15K10964
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
早川 峰司 北海道大学, 医学研究院, 講師 (10374282)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 播種性血管内凝固 / 外傷 / 線溶 / 凝固障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮細胞上には、抗凝固物質であるトロンボモジュリンやグリコカリックスが存在し、抗血栓性作用を有している。外傷急性期に、全身循環中のsTMやsyndecanが上昇することが確認されているが、その供給源は明らかではない。欧米からの仮説では、血管内皮細胞上の抗血栓性物質は正常のな状態であると主張されているが、我々は、外傷急性期に循環血液中に認められるsTMやsyndecanの上昇は、血管内皮細胞上の抗血栓性物質が脱落した結果であると主張している。本研究では、血液中のsTMやsyndecanの上昇とともに、血管内皮細胞上の抗凝固能を有した膜蛋白が脱落していることを免疫組織学的に明示することを試みた。しかし、我々の用いたドラムショックモデルでは、血液中sTMやsyndecanの有意な変化は確認できたものの、組織学的な変化を確認することは出来なかった。 また、外傷後に凝固活性を有しているマイクロパーティクルが全身循環中に存在していること、その量は外傷重症度の比例していることなどは明示することができた。そして、このマイクロパーティクルには、組織因子活性を有しているものと有していないものが混在していること、マイクロパーティクルは血中のヌクレオソーム量と比例していることなどを確認できた。 本研究で得た知見を背景として、臨床データを用いた論文を作成した(Crit Care. 2017;21:222. Shock. 2016;45:308-14.)。また、現在、これらの知見を論文として作成中である。
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