2016 Fiscal Year Research-status Report
セプシス・外傷に対するリンパ球・好中球の生体反応からみた免疫学的病態解析法の確立
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15K10979
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 弘毅 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30609590)
吉矢 和久 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40379201)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
池田 光憲 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60548444)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
松本 寿健 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (70644003)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 免疫細胞 / B細胞 / T細胞 / 全身性炎症反応 / インフラマソーム / フローサイトメトリー / 好中球 / リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
①免疫担当細胞の測定。のべ89人の患者を対象とした。血液中のリンパ球の細胞表面マーカー抗体(CD3、CD4、CD8、CD16、CD56、CD19)で染色してフローサイトメトリーで計測した。結果は、以下の如くであった。CD4+CD8+T細胞(24.5±1.3%vs.34.2±3.7%)p<0.05、CD4+CD4+T細胞(41.3±1.8%vs.33.3±5.0%)p<0.05、CD4/CD8比 (2.2±0.2vs.1.0±0.6)p<0.05、CD16+CD56細胞(NK細胞) (22.2±2.0%vs.20.6±5.6%)p=0.68、CD19細胞(B細胞) (13.3±1.2%vs.10.6±3.5%)p=0.08、CD25+FoxP3細胞(制御性T細胞) (3.98±0.73%vs.0.21±1.17%)p<0.05、単球のFLICA(インフラマソーム)(n=73) (69.5±2.6%vs.47.9±6.1%) p=0.0017(患者群vs.健常群)。以上より、侵襲により、免疫担当細胞であるCD8+T細胞が減少し、CD4細胞やCD19細胞が増加していた。これは生体への侵襲とともにT細胞、B細胞が増加し液性免疫が活発になっていることと考えられた。また、インフラマソームの活性化は、侵襲により生体応答が活性化され続けていることが示唆された。 ②気道の免疫担当細胞。動物実験では侵襲後5日目を過ぎるとリンパ球が優位になってくるが、患者検体ではリンパ球はほとんど見られなかった。そのためリンパ球の評価から好中球への評価へ方針を変更し、CD66とCD16を用いて染色を開始した。 ③侵襲時のサイトカイン。敗血症とIL-1β、IL-6,-8,-10等のサイトカインと予後との関連を評価したところ、侵襲早期のサイトカインと予後に相関が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
痰による血球評価を行うと、動物実験ではリンパ球の急激な増加が観察されたが、患者検体ではリンパ球をほとんど認めなかった。げっ歯類に比して、自然免疫の期間が長いことも理由として考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
気道の免疫担当細胞に関して、リンパ球だけでなく、好中球の評価を継続して行い、侵襲による血球の変化を観察する。 また、腸内細菌叢と免疫不全との関連に関しての動物実験の準備を進めていく方針である。
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Causes of Carryover |
一部で当初予定していた実験費用に差異が生じたため、今年度必要になると予想していた経費の一部を今後の段階で使用することが必要になったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
おおむね当初の実験計画の方向に沿って今後の研究を進めるが、今年度までの結果を踏まえて細かい点で作業の進め方に関して変更を加えた形で実験を行なっていく。
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Research Products
(1 results)