2016 Fiscal Year Research-status Report
水素吸入療法を軸とした新たな頭部外傷の治療法の確立
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15K10982
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤田 基 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50380001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 崇 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40380000) [Withdrawn]
小田 泰崇 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40397998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 頭部外傷 / 水素 / 軸索損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、昨年度同様ラット頭部外傷モデルとしてLateral Fluid Percussion (LFPI)モデルを用いた。治療介入として、水素療法の発展系としての水素ガス混入輸液の効果を検討した。水素ガス混入輸液は、生理食塩水内に水素ガスをマイクロバブルで溶解し作成した。 ラットを全身麻酔下に、気管挿管し、人工呼吸管理とした。左大腿静脈から静脈ルートを確保した。左頭頂骨にcraniotomyを行い、LFPI用のコネクターを装着した。2.0atmの強度でLFPIを作成し、15分後から60分後まで水素ガス混入輸液を静脈投与した。LFPI2時間後に人工呼吸器を離脱した。24時間後に血清を採取し、脳組織をパラフォルムアルデヒドで潅流固定した。脳切片を作成し、軸索損傷のマーカーであるamyroid precursor protein (APP)の免疫染色を行った。 水素ガス混入輸液低用量投与群の脳切片の単位面積当たりの軸索損傷数は、LFPIのみの無治療群と比較して低い傾向にあり、水素ガス混入輸液高用量投与群では、無治療群よりも有意に減少していた。血清中のバイオマーカーについて、酸化ストレスマーカーであるマロン酸アルデヒドは水素ガス混入輸液投与群において、コントロール群よりも低い傾向にあった。炎症マーカーであるhigh morbidity group box-1、soluble intercellular adhesion molecule-1においても、水素ガス混入輸液投与群ではコントロール群よりも低い傾向であった。 以上の結果より、水素ガス混入輸液による脳保護効果が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
水素の投与方法の検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
水素吸入、水素水投与の効果を増強する可能性のある他の治療法との組み合わせにより、さらなる脳保護療法の開発を行う。
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Causes of Carryover |
研究試薬等の値段の変動から、わずかに次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、研究試薬の購入に充てる予定である。
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