2017 Fiscal Year Annual Research Report
Beneficial effects of Molecular hydrogen in rat model of heat stroke
Project/Area Number |
15K10983
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小田 泰崇 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40397998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 崇 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40380000) [Withdrawn]
藤田 基 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50380001)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 熱中症 / 水素水 / 酸化ストレス / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱中症に対する水素の有効性について検討した。 ラット熱中症モデルを用いて、ラットの深部体温を10分間に1℃の速度で40℃まで上昇させ、平均血圧が10mmHg低下した時点を熱中症の発症とした。40℃で1時間維持し、採血後に安楽死させ肝臓を灌流固定した。また、40℃で1時間維持した後、24時間後の生存率を検討した。発症1時間後の酸化ストレスマーカー(MDA、ニトロチロシン、8-OHdD)、炎症マーカー(sICAM-1、HMGB1)、肝臓マーカー(GOT、GPT)を測定した。肝臓の組織学的評価は、6つのパラメーター(細胞質退色、空胞形成、核凝縮、核断片化、核消退、赤血球停滞)をスコアリングするLiver histology (injury) scoreを用いて定量的に行った。熱中症の発症後、水素投与の有無で群分けし比較検討した。 酸化ストレスマーカーおよび肝臓マーカーは水素投与群(水素ガス吸入群および水素リンゲル液投与群)ではいずれも低い傾向にあったが、有意差は認めなかった。炎症マーカーにおいても同様に水素投与群で低い傾向にあり、リンゲル液のみを投与した群と比較して水素リンゲル液群では有意に低値であった。組織学的検討では、リンゲル液群で細胞質退色、空砲形成および赤血球停滞を認め、LISはいずれも水素投与群で有意に低値であった(P<0.005)。 24時間後の生存率は、リンゲル液を投与した群4/15匹(27%)であったの対して、水素リンゲル液を投与した群は11/15匹(73%(73)が生存しており有意差を認めた(P=0.011)。 以上の結果より、水素ガス吸入および水素水輸液は、熱中症による酸化ストレスおよび全身炎症反応を限定的ではあるが抑制し肝臓保護効果を有すること、さらに24時間後の生存率を上昇させることが示唆された。
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Research Products
(1 results)