2017 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of organ remodeling in severe sepsis
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15K10985
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
矢野 武志 宮崎大学, 医学部, 講師 (80521707)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症のメカニズムは血管内皮障害を主体としたものである(J Thromb Haemost 2015;13:1743)。細菌の毒素は血管内皮細胞上のToll-like受容体を介して細胞内炎症性シグナル伝達経路を惹起させ、炎症性サイトカインの分泌を促進する(Innate Immun 2015;21:827)。過剰な炎症性サイトカインによって、血管内皮細胞はアポトーシスに至り、血管内皮がはがれて壁構造が破綻し、血管透過性亢進や凝固機能障害を招く(Crit Care Med 2004;32:901)。 トロンボモデュリンは、レクチン様ドメインをはじめとする5つのドメインによって形成される血管内皮表在性タンパク質である(EMBO J 1987;6:1891)。トロンビンの抑制、あるいはプロテインCを活性化させることによって抗凝固作用や血管内皮保護作用を発揮する(Science 1987;235:1348)。本邦では遺伝子組換えトロンボモデュリン製剤が播種性血管内凝固治療薬として市販されている。 トロンボモデュリンのN末端から155個のアミノ酸によって形成されるレクチン様ドメインには、抗凝固作用は存在せず、血管内皮に対する好中球接着抑制や、Nuclear factor-kappa B (NF-kB)の抑制による抗炎症作用を認める (J Exp Med 2002;196:565)。 これらの抗炎症作用から、敗血症で認められる血管内皮障害に対して、トロンボモデュリンの保護作用が期待される。また本研究では、細胞の修復過程におけるリモデリングに着目し、トロンボモデュリンの効果を検討し臨床応用に繋げることを目的としている。
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