2016 Fiscal Year Research-status Report
IL-15と類似した低分子化合物の探索と高齢者敗血症治療への応用
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15K10994
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
井上 茂亮 東海大学, 医学部, 准教授 (30582209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 令明 東海大学, 先進生命科学研究所, 教授 (70238393)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 敗血症 / 炎症 / ミメティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度in silicoでスクリーニングされた化合物10個を入手し、IL-15受容体活性化作用を細胞レベルで評価した。転写因子STAT5はIL-15に応答してリン酸化を受け、特定のDNA配列に結合する。L-15に応答細胞を探すべく、いくつかのヒト由来血球系細胞株をIL-15にて刺激し、リン酸化STAT5をフローサイトメーターで測定測した。この結果、ナチュラルキラー細胞株のKAI-3細胞ならびにT細胞株のILTMAT細胞がIL-15に応答することが判明した。そこでIL-15応答細胞を候補化合物とインキュベートし、リン酸化STAT5を測した。しかしながら、今回試した10個化合物のいずれにもSTAT5のリン酸化を誘導する活性は見られなかった。同様の結果はウエスタンブロットでも確認した。
IL-15類似化合物の評価系の高感度化を試みた。すなわち96ウエルプレートとプレートリーダー用いたハイスループット・スクリーニング系の構築を試みた。STAT5の結合配列の下流に発光酵素ルシフェラーゼを連結したレポーター遺伝子を含むプラスミドをエレクトロポレーション法によって、数種のヒト由来血球系細胞株に導入した。薬剤耐性マーカー遺伝子の発現を指標指にレポーター安定発現細胞選択した。この結果、2つのIL-15非応答細胞株では容易に安定発現細胞が樹立できたが、KAI-3細胞などの応答細胞では安定発現細胞の樹立が困難であり、何らかの工夫が必要であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、IL-15様活性評価系を確立し、in silico化合物のうち入手可能な化合物について評価を完了した。 また、評価法の高感度化と効率アップのため、化合物のハイスループット・スクリーニング系の構築にも着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の成果を踏まえ、今年度は以下の研究を行う予定である。 1)In silico化合物のうち、試薬メーカーから市販されている10化合物の評価は終了したが、入手不可能な40化合物は未評価のままである。そこで、学内外の有機合成系の研究者に合成を委託して共同研究として評価を進めていく。
2)Jurkat細胞などのSTST5レポーター遺伝子導入細胞はIL-15には応答しなかった。この原因としてIL-15のレセプターが発現していない可能性がある。そこで、IL-15のレセプターの発現レベルを調べ、発現が欠如している場合、レンチウイルスベクター等を用いて発現を補い応答細胞化する。
3) 敗血症モデルマススにヒット化合物を投与し、効果を評価する。
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Causes of Carryover |
今年度はカスタム合成した候補化合物ではなく、市販化合物を中心にin vitroの評価を行ったこと、また、ハイスループット・スクリーニング系の構築にエフォートを割いたため使用額に差異が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
化合物の合成代に費やす予定である。また、マウス敗血症モデルに活性が見られたヒット化合物を投与してin vivoでの評価評を予定している。さらに、IL-15ノックアウトマウス購入してリード化合物の活性を評価する。
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