2017 Fiscal Year Annual Research Report
A clarify of a role of remote organ failure after tissue injury
Project/Area Number |
15K10996
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
塚本 剛志 日本医科大学, 医学部, 助教 (20626270)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00318528)
松居 亮平 日本医科大学, 医学部, 助教 (50727865) [Withdrawn]
横田 裕行 日本医科大学, 医学部, 助教授 (60182698)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 骨軟部組織損傷モデル / 出血性ショック / HMGB-1 / Two-hit theory |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの筋骨を粉砕しミンチ化(Tissue-Bone-Matrix; TBX)し、それを同種ラットの背部に移植した(骨軟部組織損傷モデル)。TBX移植のみの群、TBX移植に出血性ショックを加えた群(two-hit model)の2群間の動物生体に起こる炎症性変化(血漿中HMGB-1レベル)を継時的(移植後3、6、12、24時間後)に測定した。 HMGB1は、PAMPsやDAMPsの刺激によってマクロファージ、あるいは壊死細胞から細胞外に放出される、およそ215残基のタンパク質であり、細胞外に放出されたHMGB1は炎症反応を立ち上げるとされている。そのメカニズムは血管内皮細胞に働きかけてVCAM1(vascular cell adhesion molecule 1)、ICAM1(intercellular adhesion molecule 1)、E-selectinなどの接着因子の発現を誘導し、好中球や単球の遊走を促し,これら炎症・免疫担当細胞の傷害局所への集積を誘導しているとされ、結果として炎症性サイトカインの産生を促し、炎症反応の増幅を誘導している。傷害局所におけるHMGB1は生体防御因子として働いていると考えられるが、敗血症や外傷後に過剰に産生されたHMGB1は致死性因子として働くことが知られている。 我々の研究結果では、2群間における血漿中HMGB-1レベルは継時的な増減は示さず、また2群間での血漿中HMGB-1レベルの相違も示さなかった。すなわち、明らかな炎症性変化を起こさなかった。
|