2016 Fiscal Year Research-status Report
三次元細胞培養を用いた力学的負荷に対する骨細胞の機能解析
Project/Area Number |
15K11008
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 淳 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (70335660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 真土 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (40448105)
岸野 万伸 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (60346161) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 負荷 / 骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度中の研究によって、コラーゲンゲルを用いた三次元細胞培養の至適条件を明らかにすることが出来たため、平成28年度においては、この三次元培養下において力学的負荷を与える条件の検討を行ったが、力学的圧負荷の調節に問題が生じ、培養途中において、三次元細胞培養に使用しているコラーゲンが破損し、三次元状況下での培養を維持出来なくなったため、負荷を与える実験手技の変更・改良ないし装置の調整を行う必要が生じた。 力学的負荷に変化が加わった状況下では、骨基質タンパク質Dmp1が何らかの影響を及ぼしている事が推測されるため、Dmp1遺伝子組換え過剰発現マウスを用いて、Dmp1過剰発現の状態となった初代骨芽細胞を採取し、この細胞を用いて三次元細胞培養を行った。この実験では、同時に採取した野生型マウスの初代骨芽細胞との形態学的な細胞変化の検討を行った。Dmp1過剰発現マウス由来初代骨芽細胞、野生型マウス由来初代骨芽細胞ともに三次元細胞培養条件下において細胞自体の生育は可能であったが、この両者の間に明らかな形態変化の違いは認められなかった。 骨基質タンパク質Dmp1は、リン酸化酵素であるFam20Cによりリン酸化されることで機能することが明らかとされているので、力学的負荷に反応する際に、Dmp1のリン酸化状態がどのように影響するかを検討することは重要であると考えられるため、このFam20Cの発現を遺伝子編集によりノックダウンした細胞株の作製に着手した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度における進捗状況がやや遅れていると自己評価した点は、三次元細胞培養条件下で力学的負荷を与える実験を行った際に、三次元細胞培養に用いたコラーゲンゲルがその負荷に耐えられずに破損し、実験手技の変更・改良や装置の調整が必要になり、当初、計画していたスケジュールで実験を進めることが出来なかったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
進捗状況の自己評価の項目において、やや遅れていると自己評価をしたように、三次元細胞培養での力学的負荷の実験に関しての改良が必要と考えている。三次元細胞培養に使用しているコラーゲンゲルが破損しないような負荷の与え方に関して装置の考案・改良が必要だと考えている。また、コラーゲンゲルの使用方法を含めた実験手技の改良という点も検討が必要であると考えている。これらの点に関して実験内容を再検討する事により平成28年度の研究の遅れを取り戻せると考えている。
|
Causes of Carryover |
平成28年度において、三次元細胞培養条件下において、力学的負荷を与える実験を計画していたが、実験条件、装置に問題があり、三次元細胞培養に使用するコラーゲンゲルが力学的負荷に耐えきれずに破損してしまうという問題が生じたため、当初計画していたスケジュールでの実験の実施が不可能となり、細胞培養のために計画していた経費を使用出来なかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度では、三次元細胞培養条件下で力学的負荷を与える際の手技の改良・考案を行い、平成28年度で繰り越した経費分の実験を行う予定である。 また、本研究では、主として細胞培養実験により力学的負荷の影響を検討する予定であったが、本研究の遂行に伴い、生体における力学的負荷と骨基質タンパク質Dmp1の関連性の検討も必要であると考えられるようになったため、実験動物の購入や生体でのDmp1の測定に必要なELISA等の測定キットに関する購入にも充てる予定である。
|