2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of anti-hypoxic stress factors during maxillofacial development
Project/Area Number |
15K11019
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中富 満城 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10571771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬田 祐司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90291616)
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (30448899)
豊野 孝 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10311929)
片岡 真司 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80364149)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 口唇口蓋裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの口唇裂は頭蓋顎顔面領域で最も頻度の高い先天異常であり、顔面突起(内側鼻突起・外側鼻突起・上顎突起)の成長不全や癒合不全により発症する。また二次口蓋裂は上顎突起に形成される左右の口蓋突起の癒合不全により発症する。歯胚に生じる先天異常としては歯の先天欠損・形態異常・位置異常・先天性エナメル質形成不全症・先天性象牙質形成不全症等が挙げられる。これらの先天異常を生じる病因として遺伝要因と環境要因の複合作用による多因子閾値説が提唱されているが、研究モデルの不足により未解明な点が多い。本研究においてはMsx1遺伝子変異マウス(遺伝要因)と胎生期の低酸素ストレス(環境要因)を組み合わせた新規動物実験モデルを用いて研究を遂行する。ヒトのMSX1遺伝子変異によって口唇口蓋裂や歯の先天欠損が生じる事が知られている。Msx1ホモ変異マウスは通常口唇裂を呈さないが、胎生期に低酸素負荷を受けた場合は有意に高確率に口唇裂を発症した。組織学的解析により、変異型の顔面原基において低酸素ストレスマーカーであるHypoxyprobeが陽性となり、Bmpシグナルを構成するリン酸化Smadの発現が有意に低下する事を見出した。同様に、通常は口蓋裂を呈さないMsx1ヘテロ変異マウスに低酸素負荷を与えると、有意に高確率に口蓋裂を発症し、変異型の口蓋突起においてHypoxyprobeが陽性となる事を見出した。また歯胚形成については血管系構築に関与するHey1およびHey2遺伝子の歯胚における発現パターンを解析し、低酸素負荷によりHypoxyprobeが陽性となり、歯髄内に鬱血が生じて象牙芽細胞の配列が乱れて部分的な象牙質形成不全症を呈する事を見出した。本研究の成果により顎顔面領域の発生過程に低酸素負荷が及ぼす影響が明らかとなった。
|
Research Products
(5 results)