2016 Fiscal Year Research-status Report
癌抑制DNAワクチン包埋CPHナノ粒子の経口腔粘膜デリバリーシステムの基礎的研究
Project/Area Number |
15K11031
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (30175591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 勝俊 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (60329604)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DNAワクチン / パピローマウイルス / ドラッグデリバリー / ナノ粒子 / 癌化抑制効果 / 口腔 / 扁平上皮癌 / naked pDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、このハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の発癌モデルおよびヒトパピローマウイルス(HPV)関連癌由来の細胞(CaSki)を用いて、パピローマウイルス感染による口腔領域の癌化をDNAワクチン接種により抑制するための、より安全で効率の高いDNA抗原包埋疎水性プルランナノ粒子(CPHナノ粒子)とテープストリッピング法による経口腔粘膜のデリバリーシステムを開発することを目的としている。 昨年度は、DNAワクチン包埋CPHナノ粒子とテープストリッピング法による経口腔粘膜のデリバリーシステムの口腔粘膜での動態の解析を行い、その結果、口腔粘膜上皮のランゲルハンス細胞およびマクロファージ等にCPHナノ粒子が取り込まれていることが判明した。この結果から、本年度は、DNAワクチン包埋CPHナノ粒子とテープストリッピング法による経口腔粘膜のデリバリーシステムの癌化抑制の解析をHOPVの発癌モデルを用いて行った。CPHナノ粒子にHOPVの主要遺伝子であるL1 naked pDNAを包埋して、DNAワクチンのデバイスとして使用した。実験動物を免疫群と非免疫群にわけ、免疫群には2回のDNAワクチン接種を3週の間をおいて行なった。接種方法は、実験動物の頬粘膜をテープストリッピング法により角化層を一部除去後、CPHナノ粒子を塗布した。その後、HOPVの発癌モデルを用いて8週間DMBAを週3回、舌尖に塗布した後、創傷を加え、さらにDMBA塗布を1週間行なった。その結果、免疫群では非免疫群に比べて高い癌化抑制が認められた。 以上の結果より、DNAワクチンのテープストリッピング法による経口腔粘膜のデリバリーシステムは癌化抑制に有用であることが示唆された。本研究は、HPV感染での癌化予防の治療に大いに貢献すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、DNAワクチン包埋CPHナノ粒子とテープストリッピング法による経口腔粘膜のデリバリーシステムの癌化抑制の解析をハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の発癌モデルを用いて行った。前年度と同様にCPHナノ粒子にHOPVの主要遺伝子であるL1 naked pDNAを包埋して、DNAワクチンのデバイスとして使用した。トレイサーとしては、昨年度と同様にGFP遺伝子を用いずに、蛍光ナノクリスタルを用いてCPHナノ粒子を標識した。この点が変更した部分である。それ以外は、研究計画に基づき行っている。それは、以下の方法である。 実験動物を免疫群と非免疫群にわけ、免疫群には2回のDNAワクチン接種を3週の間をおいて行なった。接種方法は、実験動物の頬粘膜をテープストリッピング法により角化層を一部除去後、CPHナノ粒子を塗布した。その後、ハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の発癌モデルを用いて8週間DMBAを週3回、舌尖に塗布した後、創傷を加え、さらにDMBA塗布を1週間行なった。その結果、免疫群では非免疫群に比べて高い癌化抑制が確認された。 この結果より、DNAワクチン包埋CPHナノ粒子とテープストリッピング法による経口腔粘膜のデリバリーシステムにより癌化抑制が認められ、次年度からの研究解析に問題なく移行できることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、このハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の発癌モデルおよびヒトパピローマウイルス(HPV)関連癌由来の細胞(CaSki)を用いて、パピローマウイルス感染による口腔領域の癌化をDNAワクチン接種により抑制するための、より安全で効率の高いDNA抗原包埋疎水性プルランナノ粒子(CPHナノ粒子)とテープストリッピング法による経口口腔粘膜のデリバリーシステムを開発することを目的としている。 今年度までの研究結果から、ハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の発癌モデルを用いたDNAワクチン包埋CPHナノ粒子とテープストリッピング法による経口腔粘膜のデリバリーシステムにより癌化抑制が確認された。次年度は、より臨床的な研究としてHPVの主要遺伝子であるL1 naked pDNAを包埋して、DNAワクチンのデバイスとして使用して、HPV関連癌由来の細胞(CaSki)における癌化抑制の解析を行う。
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Research Products
(1 results)