2016 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms underlying differentiation of human pluripotent stem cells into peripheral neurons
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15K11035
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
菅 三佳 (岸本三佳) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヒト幹細胞応用開発室, プロジェクト研究員 (00340448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 美海 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30506449)
古江 美保 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヒト幹細胞応用開発室, 研究リーダー (80257310)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒトES細胞 / ヒトiPS細胞 / 末梢神経 / 神経堤 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト多能性幹細胞由来末梢神経細胞のin vitro誘導のためには、ヒトを含む脊椎動物の神経堤初期発生のメカニズムを理解した上で制御し、分化誘導プロトコルを開発することが重要である。本研究では、特に頭部の末梢神経系の細胞を誘導するプロトコルの開発、ならびに誘導細胞の特性解析を目的としている。
平成27年度では、①未分化のヒトES細胞から神経堤幹細胞ならびに頭部神経堤を高効率に誘導し、その分化誘導課程における遺伝子発現について解析を進め、未分化のヒトES細胞から頭部神経堤を誘導する課程でBMP4などの成長因子を添加する濃度と時間を的確に制御することが重要であることを立証した。②また、数多いヒトiPS細胞株(細胞クローン)の中から、頭部末梢神経系細胞の誘導法開発に最も有用な細胞株を選択した。
平成28年度では、平成27年度に明らかとなった知見をもとに、③選択したヒトiPS細胞株を用いて、ヒトES細胞を用いて設定した誘導培養条件が適用できることを確認した。④ヒトiPS細胞株2株を用い、頭部神経堤細胞への誘導培養条件の最適化をおこなった。ヒトiPS細胞由来頭部神経堤細胞の特性解析として、生細胞位相差顕微鏡観察による形態評価ならびに免疫染色によるマーカー発現解析評価、リアルタイムPCR解析によるマーカー遺伝子発現評価を実施した。⑤ヒトiPS細胞由来頭部神経堤細胞から末梢神経を誘導し、生細胞位相差顕微鏡観察による形態評価ならびに免疫染色によるマーカー発現解析評価、リアルタイムPCR解析によるマーカー遺伝子発現評価実施し、誘導された細胞の特性解析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトiPS細胞から頭部神経堤細胞への誘導培養条件は設定することができたが、頭部神経堤から末梢神経への誘導効率は安定せず再現性が低い。末梢神経誘導のメカニズムを明らかにするために、現在はその原因について検証を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に引続き、ヒトiPS細胞由来頭部神経堤細胞から末梢神経への誘導培養条件についての検討を進め、誘導末梢神経の特性解析と合わせて、末梢神経の分化誘導カスケードに関与するシグナルについて解析を進める。
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