2016 Fiscal Year Research-status Report
膜トラフィッキング制御分子による破骨細胞分化と骨吸収の新たな調節機能の解明
Project/Area Number |
15K11046
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
久木田 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (30153266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 敏夫 九州大学, 歯学研究院, 教授 (70150464)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収 / 膜トラフィッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
骨面上の成熟した破骨細胞は極性を持った大型の細胞で、酸やタンパク質分解酵素を分泌して骨吸収を行っている。このような分泌機構には細胞内の膜トラッフィキングを制御する多くのタンパク質が関わっている。本年度においては、膜トラッフィッキングの調節に関わるNedd4アダプタータンパク質の骨面上の破骨細胞における発現調節について、いくつかの細胞外基質タンパク質の関与について調べた。培養デッシュをtypeIコラーゲン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、及びオステオポンチンでコートしNedd4アダプタータンパク質の発現の誘導を調べた結果オステオポンチンでは発現の上昇が見られたが、その他の細胞外基質タンパク質では発現誘導が見られなかった。また、骨基質内の増殖因子類についても調べたところTGF-βで刺激した場合にも発現が亢進することがわかった。さらにアレンドロネートやBafilomycin A1によって骨吸収を抑制した破骨細胞ではその発現が抑制された。一方shRNAレンチウイルスを用いて破骨細胞でNedd4アダプタータンパク質の発現を抑制した場合は骨吸収能が低下していた。さらにCrispr/Cas9システムを利用し昨年度から作成したノックアウトマウスを解析したところ、いくつかのノックアウトマウス及び変異マウスが作成されていることがわかった。これらのNedd4アダプタータンパク質変異マウスから形成した破骨細胞においても骨吸収能に異常が見られた。さらに、Nedd4アダプタータンパク質の発現を抑制した破骨細胞には分泌機能に異常が見られることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Crispr/Cas9システムを用いていくつかのNedd4アダプタータンパク質欠損マウス及び変異マウスのラインを作成することが出来た。これらのマウスを用いてNedd4アダプタータンパク質の破骨細胞の骨吸収への作用や膜トラッフィキングへの関与及びそのメカニズムについていくつかの興味深い結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
Crspr-Cas9システムを用いて作成したいくつかのノックアウトマウスや変異マウスを継続維持しながら、Nedd4アダプタータンパク質の骨吸収促進機能のメカニズムの詳細や骨病態における関与について解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初は1系統のノックアウトマウスを作成する予定であったが、いくつかノックアウトマウスと変異マウスが作成された。そのため、マウスの解析に予想より多くの費用を要すると考えられたため、来年度の研究費に使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウスの破骨細胞の骨吸収の解析のための蛍光抗体、細胞培養関連器具類、培地等に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)