2015 Fiscal Year Research-status Report
新規骨誘導性DNAスカフォールドによる骨形成促進作用メカニズムの解明
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15K11062
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
鍛治屋 浩 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (80177378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 純 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10152208)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨再生 / 骨芽細胞 / リン輸送体 / バイオマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
[目的]サケ白子由来DNAとプロタミンを用いて作製したDNA/プロタミン(D/P)スカフォールドは頭蓋骨欠損モデルラットにおいて骨伝導能を持つことを報告した。しかしながら、D/Pスカフォールドの新生骨の誘導作用機序に関しては不明である。そこで、D/Pスカフォールド、特にDNAによる骨欠損部の新生骨形成過程の形態組織学的解析と骨芽細胞の骨分化・基質分泌能への効果について検討した。 [材料と方法] マウス骨芽細胞株MC3T3-E1細胞をサケ白子由来のDNA(300bp)又はプロタミンの存在下で培養し、骨分化関連分子及びDNAとその分解産物であるリン酸の受容・輸送に関わる分子の発現変化について検討した。加齢マウスの頭蓋骨骨欠損モデルを作製し、骨再生過程におけるDNAの効果についてmicro-CT法を用いて検討した。 [結果] DNAはコントロールに比較し骨分化関連分子(ALP, Runx2, Osterix)の発現が増大したが、プロタミン単独存在下では有意な変化は認められなかった。DNA自身は培養5日後にほぼ分解され、培養液中のリン酸濃度が増加することが明らかになった。そこで、リン酸輸送体に着目したところ、DNA刺激依存性に骨芽細胞のNa⁺依存性リン輸送体(SLC20A1、SLC34A2)の発現が増大した。逆にリン酸輸送体阻害剤の投与はDNA刺激によるリン酸輸送体の発現の減少を伴って骨分化関連分子の発現も減少させた。又、加齢マウスの頭蓋骨欠損モデルにおいてコントロールに比較しDNAディスク埋入により骨形成が有意に増加した。 [考察] サケ白子由来の新規骨伝導性を持つD/Pスカフォールドによる骨形成促進作用はDNA分解産物のリン濃度増加によりリン輸送体の発現が促進され、骨分化と基質形成が促進されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、本研究は順調に進捗したため、研究成果を関連主要学会(日本骨代謝学会や再生医療学会)に発表した。さらに、研究成果の一部を海外論文として発表した。従って、本研究の進行状況はほぼ順調だと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究をいくつかの異なる方法を用いてさらに進展させて、最終的に研究成果を国際学会を含めた学会に報告後、論文発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遂行上、年度末に購入した物品の納品が遅れ支払いが遅れた。又、年度末の学会歯出張による参加費と旅費が未確定であった為
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
参加費と旅費の請求して精算し、納品が遅れた物品に関しては至急支払いを行う。
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