2015 Fiscal Year Research-status Report
歯原性上皮の腫瘍化に関わる幹細胞性維持と骨内微小環境との相互作用の解析
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15K11066
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊本 裕行 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70215028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 良央 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30302152)
及川 麻理子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00712902)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯原性腫瘍 / 腫瘍発生 / 骨内進展 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯原性上皮の腫瘍化や進展における幹細胞性維持に影響すると考えられる骨内微小環境での低酸素状態関連分子について検索した。
1. 方法:エナメル上皮腫67例(初発48例、再発19例;充実型37例、単嚢胞型11例を含む)を対象の歯嚢10例を用い、HIF-1, CA IX, CD34の発現・局在について免疫組織化学により解析した。 2. 結果:HIF-1, CA IXは、歯原性上皮性細胞および間質間葉系細胞に発現がみられた。これらの発現は、歯嚢よりエナメル上皮腫で高く、充実型エナメル上皮腫で単嚢胞性エナメル上皮腫より高い傾向を示した。D34は、間質の新生血管内視細胞に陽性を示し、観察単位面積当たりの血管密度は歯嚢よりエナメル上皮腫で高く、充実型エナメル上皮腫で単嚢胞性エナメル上皮腫より高い傾向を示した。また、HIF-1, CA IXの発現とCD34陽性血管は正の相関を示した。 3. 考察:歯原性組織の腫瘍発生に骨内微小環境下の低酸素状態が影響することが示唆された。この低酸素状態およびこれに伴う血管新生は、腫瘍組織の組織構築とも関わり、骨内進展の判定因子となり得る可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯原性腫瘍の発症における骨内微小環境内の変化を示す因子として、低酸素状態関連分子と新生血管の関連を明らかにでき、興味深い結果と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
歯原性腫瘍の骨内微小環境での新規血管新生分子や幹細胞関連分子、骨内進展に関わるシグナル伝達分子について、種々の検索を進めている。また、腫瘍発生や腫瘍細胞分化に関わる分子の網羅的解析についても予備実験を進めている。
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Research Products
(10 results)