2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K11113
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大原 直子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80301365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10201071)
大原 直也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70223930)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 根面う蝕 / う蝕誘発モデル / う蝕細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、in vitroの系での根面う蝕誘発モデルの作製および構築を行い菌種や培養条件によるう蝕病変進行や細菌の動態の違いを観察するとともに、細菌の遺伝子発現を解析しう蝕の非活動化に結びつく遺伝子を同定し、根面う蝕の進行を抑制する治療法を開発することを目的としている。 本年度は根面う蝕誘発モデルの構築をするため、根面象牙質へ細菌の感染実験を行った。根面う蝕原性細菌として、Actinomyces viscosus、A. naeslundii、Streptococcus mutans、S. sanguis、S. sobrinusの培養を行い、人工根面う蝕の誘発を行った。そして感染菌の象牙細管内への侵入深度、培地のpHの変化や歯質の着色状態や硬さの変化からう蝕の進行について解析した。そして、細菌種によってバイオフィルムの形成と象牙細管への侵入、酸産生能等への影響は異なり、その特性が相乗作用として重なった場合にう蝕の進行が実現することが明らかとなった。人工う蝕形成の長期経過を追うための実験を開始した。また、病変部位の細菌の活動状態について解析中である。 さらに、根面う蝕誘発モデルの作製を進める中で、根面う蝕の進行には歯根象牙質と細菌との関係のみならず歯根の形態学的特徴が大きく関与していることが明らかとなった。今後は、根面う蝕に特異的な環状う蝕を形成するメカニズム、あるいは、感染細菌の活動性が病変の活動性と停止性に関与するメカニズムについても検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
根面う蝕原性細菌を用い人工根面う蝕の誘発実験を行い、病変部を解析した。その結果、細菌種によってバイオフィルムの形成と象牙細管への侵入、酸産生能等への影響は異なり、その特性が相乗作用として重なった場合にう蝕の進行が実現することが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
人工う蝕形成の長期経過と、病変部位の細菌の活動状態について解析を進める。 また、根面の形態学的特徴と根面う蝕との関連、感染細菌の活動性が病変の活動性と停止性に関与するメカニズムについても検討を進める。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画の一部において、予測される結果が得られず、試行錯誤を繰り返したために進行が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に計画して実験の進捗が不十分であるものも含め、平成28年度ではすべての研究計画を遂行する予定である。従って平成28年度までの予算をすべて執行する。
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Research Products
(2 results)