2015 Fiscal Year Research-status Report
修復用硬質レジンのサーモクロミズムが審美性に及ぼす影響評価とその制御
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15K11121
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| Research Institution | Kagoshima University |
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Principal Investigator |
有川 裕之 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (90128405)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村口 浩一 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (30295258)
菊地 聖史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50250791)
嶺崎 良人 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 講師 (70157577)
塚田 岳司 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 講師 (70236850)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | コンポジットレジン / 色調 / 屈折率 / 温度 / サーモクロミズム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
修復用コンポジットレジン材料の色調は，材料の審美性能を決定する重要な要素である．口腔内の温度は一時的に大きく変動するが，一般的にどのような材料も環境温度の変化によって色調が変化するサーモクロミズム現象が生じることが知られている．歯科材料に関するサーモクロミズム現象については不明な点が多く，それが材料の審美性能に及ぼす影響は明らかではない．
そこで，各種市販充填用コンポジットレジン、歯冠用硬質レジンについて、測定環境温度を厳密に規定し、口腔内で想定される4℃～60℃における光学的性質および色調の温度依存性を明確にした。光透過係数、屈折率を光透過率計、精密屈折計を用いて測定し、また色調を精密分光測色計を用いてCIE L*a*b*表色系値を測定し分析した。また、抜去歯を用いてエナメル質、象牙質の色調の温度依存性の測定を試みた。
これらの結果から、測定に供した全ての修復用コンポジットレジン材料で４℃と60℃の間で0.79～3.22の色差値を示した．同様に厚さ0.5 mmの試験片では0.64～3.07，厚さ2.0 mmの試験片では1.23～3.81を示し，試験片厚さが厚くなるにつれて温度変化による色差値は大きくなる傾向がみられた．また, 厚さ1.0 mm の23℃試験片と比べた37℃試験片の色差値は0.29～0.75であった．再現性をもって色の違いを識別できる識別境界は0.4付近とされており，23℃と37℃間においても0.4以上の色差値を示すものがみられた．反射光色彩値は臨床における目視に近似した色調評価となることから, 口腔内で起こり得る温度変化はもとより室温と口腔内温度間においても充填用コンポジットレジンの色調に識別可能な変化が生じることが示唆された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は，歯科材料の光学的性質や色調の温度依存性を明確にすることにあり、光学的性質や色調測定における試験片および測定装置の厳密な温度設定が必須である。測定は口腔内温度として想定される４℃～60℃の範囲で行ったが、とくに低温での温度設定と試験片への水分付着の測定値への影響を除去することが困難であったため，当初の計画よりやや遅れを生じている。
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| Strategy for Future Research Activity |
コンポジットレジンやエナメル質、象牙質といった半透明性材料の色調は、その光学的性質と密接に関係することが判明している。したがって、コンポジットレジンの組成成分の光学的性質が色調の温度依存性（サーモクロミズム）に及ぼす影響を評価にするため、ベースレジンとして用いられる各種ジメタクリレート系モノマー、またフィラーとして用いられる各種ケイ酸塩ガラス、さらに表面処理用シランカップリング剤 の各種光学的性質の温度依存性を明確にしたい。なかでも屈折率の温度依存性は、屈折率が光透過特性、反射特性、拡散特性、吸収特性といった材料の表層や内部での光学挙動に密接に関係することからとくに重要ある。
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| Causes of Carryover |
物品費に計上していた精密分光色彩計の価格について当初計画した価格よりも少額だったこと，また旅費は計画どおり使用したが当初計上額よりも少額で済んだため次年度使用額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該助成金は，研究遂行のための翌年度分物品費に当てる予定である。
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Research Products
(2 results)
