2017 Fiscal Year Research-status Report
レーザー光による第三象牙質の誘導と暫間的間接覆髄法への応用
Project/Area Number |
15K11133
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 雅也 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (10409237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新海 航一 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (90147843)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 炭酸ガスレーザー / Er,Cr:YSGGレーザー / 半導体レーザー / Nd:YAGレーザー / 象牙質 / 熱変性層 / アザン染色 / 組織学的変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は各種レーザー照射による象牙質の組織学的変化の評価に関する研究を行った。 ヒト抜去永久歯の歯冠部から切り出した厚さ約1.5mmのディスク状象牙質面に、出力0.5W、時間2秒(1J)、4秒(2J)、6秒(3J)、8秒(4J)でレーザーを照射した。使用機種は、E群:Er,Cr:YSGG laser (Waterlase MD;25pps、0.7mm、非接触5mm)、C群:CO2 Laser (Opelaser PRO;連続波、連続照射、焦点径0.15mm、非接触10mm)、N群:Nd:YAG Laser (Pulse master 600LE;20mJ×25Hz、0.32mm、接触)、S群:半導体Laser (ezlase 940;連続波、ezTip E4-4、0.4mm、接触)である。その後、パラフィン薄切切片を作製、H&Eとアザン染色を施して光学顕微鏡で観察した。 その結果、表面吸収型レーザーであるE群とC群のアザン染色試料において、表層から蒸散層(0.1-0.15mm)、透明層(0.01-0.03mm)、青(紫)染層(0.01-0.03mm)、赤染層(E群0.05-0.1mm、C群0.02-0.04mm)、青染層(健全象牙質)が観察された。一方、組織透過型レーザーのN群は、蒸散層(0.15mm)、透明層(0.02mm)、赤染層(0.02-0.05mm)、青染層(健全象牙質)が観察され、青(紫)染層は認めなかった。照射径は、E群0.55-0.9mm、C群0.4-0.7mm、N群0.4-0.45mmであった。なお、N群の1Jと2JとS群のすべての条件で組織変化を認めなかった。 上記の結果から、レーザーの種類によって象牙質への影響は異なるため、これから施行するラットの歯に応用するための適正な照射条件を再検討し、歯髄-象牙質複合体の反応について評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では動物(ラット)を用いるが、利用予定であった生物科学施設(動物実験施設)の建て替え工事により長期間施設を使用することができなかった。併せて施設利用マニュアルの大幅な改定があり、当初の計画を新マニュアルに沿うように修正する必要がある。その他の業務(教育など)の多忙により、課題の遂行が遅延した。研究内容に大きな変更はないため、2018年度で完遂する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新マニュアルに順守した動物実験計画書の倫理審査の承認、ならびに生物科学施設で使用する器材が整い次第、すぐに予定していた研究内容を進める予定である。同時にヒト抜去歯を用いて、レーザー照射による象牙質への影響について、組織染色、EPMA分析、SEMなどの手法を用いて、被照射面の微細構造、特に象牙細管のコラーゲン線維やヒドロキシアパタイト結晶の変化や付着状態について評価する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 進捗状況にも記述したように、生物科学施設での研究がまだ実地できていないため、動物実験で使用する機械や消耗品はまだ購入していない。そのため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 現在、新マニュアルの規則を順守した動物実験計画書を倫理審査委員会に提出しているので、倫理審査が承認された後、順次必要な物品を購入する予定である。
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