2016 Fiscal Year Research-status Report
アメロゲニンと生体活性ガラスを併用した骨組織再生療法の開発
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15K11142
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
松本 典祥 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (80597948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 純子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (50374947)
阿南 壽 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (80158732)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アメロゲニン / 生体活性ガラス / 骨形成 / 骨欠損窩洞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット根尖病変モデルを作製し、根尖部歯周組織におけるアメロゲニンの作用について実験を行った。作製したモデルを2群に分け、一方にはアメロゲニンを貼薬した。もう一方にはコントロール群として滅菌済みの生理食塩水を貼薬した。処置後0日、2週、4週でそれぞれ試料を採集し、標本を作製した後、HE染色および免疫染色を行い、組織学的に検討した。その結果、アメロゲニン群においては術後1週目にTGF-β1陽性細胞が骨面に多数観察された。また、術後2週目において根尖部の病変は縮小傾向を認め、病変周辺の骨面ではBMP-2陽性細胞活性を示す骨芽細胞が多数、多層に配列しているのが観察された。一方、骨面近傍では炎症反応の指標であるIL-1β陽性細胞が術後0日目と比較して著しく減少しており、治癒傾向にあることが推測された。一方、コントロール群では実験期間を通してBMP-2およびTGF-β1陽性細胞の発現はほとんど観察されず、術後4週においても根尖部に病巣が観察され、IL-1β陽性細胞が散在性に観察された。 また、ラット頭蓋骨欠損モデルを作製し、4群に分けた。そののち欠損部にアメロゲニンを埋入したアメロゲニン群、生体活性ガラス(BAG)とアメロゲニンを埋入したアメロゲニン+BAG群、BAG単独群、窩洞に何も埋入しないコントロール群の4種類の骨窩洞処置群を作製した。処置後、2、4、8週後に試料を採集し、標本を作製した。作製した標本にてHE染色を行い、組織学的に検討した。その結果、アメロゲニン+BAG群では術後8週目においてBAG粒子のを中心にして新生骨の形成が認められた。しかしながら、根尖病変モデルの実験で認められたBMP-2、TGF-β1、IL-1βの発現について免疫組織学的に検索したが、陽性細胞を同定することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
根尖病変モデルと頭蓋骨欠損モデルを作成し、実験を行っているが、頭蓋骨欠損モデルにて標本を作製し、免疫組織学的に検索を行うも、硬組織形成の指標となるBMP-2、TGF-β1陽性細胞、また、炎症反応の指標となるIL-1β陽性細胞の同定ができなかった。このため、追加実験を行い、n数を増やして原因を検討しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
追加実験を行うために試薬であるアメロゲニンと実験器具、および免疫染色のための試薬を追加購入した。
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Causes of Carryover |
ラットを用いて根尖病変モデルと頭蓋骨欠損モデルを作製し、実験を行っているが、頭蓋骨欠損モデルを用いて行った実験で標本を作製し、免疫組織学的に検索したが、硬組織形成の指標となるBMP-2、TGF-β1陽性細胞、また、炎症反応の指標となるIL-1β陽性細胞が同定できなかった。硬組織が形成されていないのか、それとも実験の手法に何らかの原因があって発現していないのか追加実験を行って検討しており、実験の進行にやや遅れが生じているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験を行うための試料購入費に40万円、ラットの追加購入費および飼育費に26万円、器具や薬品の追加購入に11万円使用する予定。
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Research Products
(2 results)