2017 Fiscal Year Annual Research Report
A cohort study of the association of occlusion and mastication with mental health in elderly population.
Project/Area Number |
15K11146
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大井 孝 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (10396450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 明人 東北大学, 大学病院, 准教授 (00241646)
三好 慶忠 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (10508948)
服部 佳功 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40238035)
村上 任尚 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (70451606)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コホート研究 / 高齢者 / 認知機能低下 / 抑うつ / 精神保健 / 歯の欠損 / 現在歯数 / 口腔関連QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は一般高齢者を対象に客観的評価に基づく歯の欠損と4年間での認知機能低下との関連を縦断的に検討した. 研究参加の同意を得た65歳以上の高齢者を対象にベースライン調査を行い,Mini-Mental State Examination(MMSE)での評価で認知機能低下を認めず(25点以上),4年後のフォローアップ調査に参加した140名(女性97名,平均年齢70.9±4.3歳)を解析対象とした.ベースライン調査時の現在歯数の中央値を閾値として,対象者を0-9歯の多数歯欠損群と10歯以上の群に分け,フォローアップ調査時のMMSEスコアが24点以下を認知機能低下とした.フォローアップ調査時に認知機能低下を認めたのは27名(19%)であった.多重ロジスティック回帰分析の結果,交絡因子(年齢,性,高血圧,糖尿病,脳心血管疾患,高脂血症,BMI,学歴,喫煙,飲酒,ベースライン時のMMSEスコア)での補正後も10歯以上の群に対する多数歯欠損群における認知機能低下のオッズ比(95%信頼区間)は4.63(1.37-18.9)と有意に高い値を示した. 本研究から多数歯欠損が他の因子と独立した認知機能低下の危険因子,あるいは予測因子である可能性が示唆された.適切な保健行動による歯の喪失の防止や歯周炎のコントロールが将来の認知機能低下の防止に寄与する可能性が考えられる.また歯を失った高齢者に対しても,補綴装置による咀嚼機能の回復や適切な栄養指導の介入により,認知機能に対する負の影響を減らせるかもしれない. 平成27年度から29年度の研究期間全体を通して,地域高齢者において口腔関連QOLの低下が4年後の抑うつ傾向発生と関連すること,および多数歯欠損が4年後の認知機能低下と関連することが明らかとなった.本研究より口腔の形態・機能の維持が高齢者の良好な精神保健に寄与する可能性が示された.
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Research Products
(3 results)