2015 Fiscal Year Research-status Report
骨改造アルゴリズムを応用した生体荷重ベースのインプラント補綴力的最適化設計の検討
Project/Area Number |
15K11147
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川田 哲男 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (80292225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 信裕 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20451601)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
小川 徹 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50372321)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯科用インプラント / 骨リモデリング / 生体内測定 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,歯科用インプラントに加わる機能的荷重(咬みしめ・咀嚼)を生体内測定し,その測定データおよび被験者のCTデータを基に作成した3次元有限要素解析用モデルを用い,インプラント周囲の骨反応について解析した. 生体内測定実験では,被験者の下顎臼歯部に埋入されていた3本のインプラントに対する3ユニットのインプラント固定性補綴装置において,インプラント支台本数や位置を変化させ,機能時の荷重を測定したが,有限要素モデルにおいても生体内同様のインプラント支持条件を再現した.この条件には,3本全てのインプラントを使用したもの,両端2本のインプラントを使用したブリッジ形態のもの,また端と中央のインプラントを利用した近心,遠心にカンチレバー部を持つもの,という計4条件を設定した.また,よりリアリティのあるモデルとするために,被験者CT値を基に骨密度を推定し,不均質性の骨モデルを採用した.解析の結果,歯列全体での随意的最大咬みしめ時に比較して,当該インプラント補綴装置部での咀嚼時の方がインプラント周囲の骨内相当応力および相当歪みは大きくなる傾向であった.また,3本使用した場合やブリッジ形態に比較して,カンチレバー部を持つ形態で骨内相当応力・相当歪みは大きくなる傾向であり,また特にカンチレバーに隣接するインプラントにおいてその傾向は顕著であった.さらに骨の応力・歪みが顕著に観察されたインプラント頚部に焦点を当て調査すると,全体的に舌側に比較して頬側の骨の応力・歪みが大きくなる傾向であった. 現在,上記の生体データをベースにした解析モデル,および被験者の経時的X線写真を基に,本研究の目的である,インプラント荷重ベースの骨リモデリングシミュレーションのためのアルゴリズムの算出を試みている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点ではおおむね順調に進展していると思われる.しかしながら,本研究のベースとなるインプラントに加わる荷重の生体内測定に関しては被験者のリクルートがやや困難な状況であり,このことが今後の進捗に影響する可能性がある.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のベースとなるインプラントに加わる荷重の生体内測定における被験者を増加する.また,骨リモデリングアルゴリズム計算に関しては,研究協力者(工学博士)による工学的知識・手法のサポートの元,算出を試みる.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,本研究のベースとなる生体内測定を行うための被験者数の確保が予定より進捗していないこと,またそれに伴い生体内測定実験に用いる物品の購入数が予定より少なかったことが挙げられる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に実験計画に準ずる数の被験者を確保できれば,助成金が予定通り使用される予定である.また,工学的解析において,今後新たな解析が必要になることが予測され,その際の解析ソフトウェアの購入,およびそれに関わる謝金等,支出が増加する可能性がある.
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Research Products
(4 results)