2017 Fiscal Year Annual Research Report
The surface morphology of titanium plate could change macrophage activity.
Project/Area Number |
15K11149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥山 弥生 東北大学, 大学病院, 助教 (30223697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江草 宏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30379078)
新部 邦透 東北大学, 大学病院, 助教 (50468500)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 顎堤吸収 / 義歯床材料 / 歯骨細胞 / 力学的刺激 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面形態の特徴に沿った細胞形態をとることにより、マクロファージの極性や破骨細胞分化能が変化することが知られている。そこで、チタンの表面形態の違いがマクロファージの極性や破骨細胞分化に与える影響を検討した。 表面性状の異なるチタンプレート試料として、表面処理法が確立している平滑面およびミクロ粗面である機械研磨面(MS)および酸処理面(AS)を準備し、各試料上で、破骨細胞前駆細胞(RAW264.7細胞)を培養し、その遺伝子発現を検討した。その結果、MSで培養したRAW264.7細胞は炎症性マクロファージ(M1マクロファージ)のマーカーであるNOS2の発現が高くなった。一方、AS上で培養したRAW264.7細胞はコントロールであるポリスチレン上で培養したマクロファージと同様の遺伝子発現を示した。次に、MSとAS上でRAW264.7細胞を培養し、72時間後にその培養上清を回収した。回収した培養上清および破骨細胞分化メディウムでRAW265.7細胞を破骨細胞分化誘導した。その結果、MSやASの培養上清はポリスチレンの培養上清に比べ、TRAP陽性の破骨細胞数が減少した。 さらに、マウス単球・マクロファージ用細胞株(J774A.1細胞)を用いて同様の実験を行った。RAW264.7細胞と同様にMS表面上で培養したJ774A.1細胞はNOS2の発現が上昇し、AS表面上で培養したJ774A.1細胞はNOS2の発現に変化はなかった。一方、MS表面上で培養したJ774A.1細胞は抗炎症型マクロファージ(M2マクロファージ)のマーカーであるArg1の発現が上昇した。この現象はRAW264.7細胞では観察されていないことから、マクロファージの各分化段階で、表面形態への反応性が異なることが示唆される。今後、チタン表面性状がどのようにマクロファージの極性や破骨細胞分化に影響を与えるか明らかにする予定である。
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