2016 Fiscal Year Research-status Report
歯科用CBCT像上の顎骨と頸椎の骨梁構造変化を指標とした新規骨粗鬆症診断法の開発
Project/Area Number |
15K11154
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 みか子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20361909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江尻 貞一 朝日大学, 歯学部, 教授 (40160361)
小野 高裕 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30204241) [Withdrawn]
Stegaroiu Roxana 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10303140)
三上 絵美 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20419328) [Withdrawn]
田中 礼 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30323992) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 下顎骨 / 歯科用コーンビームCT / 踵骨骨密度 / 骨代謝―マーカー / アディポサイトカイン / 骨形態計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、あらたに25名のデータを収集し、前年度の9名の被験者と合わせて被験者は34名となった。 本研究の目的は、下顎歯槽骨の骨梁構造と全身の骨代謝状態に関連性があるかどうかについて歯科領域に普及してきた歯科用コーンビームCT装置を用いて検索することである。 被験者は、新潟大学医歯学総合病院義歯診療科に通院中の66歳以上の女性で、本研究の趣旨を理解し同意書に承諾のサインをした、下顎片側の小・大臼歯が欠損している34名とした。検査の途中で2名が同意を撤回したためこの2名を被験者から除外した。片側下顎臼歯部の顎堤部をコーンビームCTで撮影し、このとき下顎骨の関心領域に5年以内の抜歯窩を含まないことを確認した。右側踵骨の骨密度を超音波式骨密度測定装置で測定した。採血をして一般生化学検査、骨代謝マーカー、およびアディポサイトカインを検索した。 被験者の年齢は、平均76±5.7歳(最低66歳、最高86歳)であった。踵骨の骨密度は、平均1475±17.29m/s(最低1444m/s、1509m/s)であった。踵骨骨密度において、カットオフ値の基準で正常範囲にあったのは2名で、骨量減少は15名、骨粗鬆症は15名であった。これまでに骨粗鬆症と診断されている方は2名、またビスフォスフォネート製剤服用中が3名、ビタミンD製剤服用が2名であった。また、ビスフォスフォネート製剤服用中のうちの1名は、リウマチに罹患しており長期間の服用暦があった。 踵骨BMDの若年者比較%値は、骨代謝マーカー、あるいはアディポサイトカインと優位な関連性を示す可能性が示され、今後、統計学的な有意性を確認する必要がある。また、顎骨のコーンビームCT画像の三次元骨形態計測学的解析を行い、踵骨骨密度と骨代謝マーカー、脂質代謝マーカーとの関連性を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
退職準備に時間を取られ、解析がやや遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者からのデータ収集は終了しているため、今後は、顎骨のコーンビームCTデータの解析を進めるとともに、顎骨と踵骨骨密度、および顎骨と骨代謝マーカー、アディポサイトカインとの関連性を検索して統計学的な評価を行い、論文執筆へと進めていく。
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Causes of Carryover |
退職にともなう引き継ぎや移籍の準備に時間をとられ、研究の進行がやや遅れてしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、データ解析を進めていくため、解析ソフトのバージョンアップ費、研究打ちあわせと研究成果発表の旅費、また論文執筆のための費用として使用していく予定である。
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