2015 Fiscal Year Research-status Report
セラミックスに対する新しい接着システムに関する研究
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15K11159
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
入江 正郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90105594)
吉原 久美子 岡山大学, 大学病院, 助教 (90631581)
有馬 太郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80346452)
皆木 省吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セラミック / 接着 / プライマー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,患者の審美性に対する要求の高度化や金属アレルギーの問題などからオールセラミックスによる補綴治療の頻度が増加している.セラミックスの被着面処理は,シリカが主成分の場合にはフッ化水素酸処理とシランカップリング処理が,シリカを主成分としない場合にはロカテック処理やサンドブラスト処理などの機械的処理が有用である.しかし,欧米では一般的なフッ化水素酸処理が,本邦では医薬用外毒物のため使用が制限されており,また,機械的な処理方法はセラミックス表面にマイクロクラックを生じさせ,装着後にそのクラックが進展することが危惧されている.そこで本研究課題ではセラミックスに対する最適な表面処理方法を確立することを目的として,レーザーアシストエッチング法に着目し,セラミックスに対する新たな接着システムを創製することを目的としている.今年度はレーザーアシストエッチング法の確立を目的として,各セラミックスに対する至適処理方法の確立を行うために,表面処理後の3次元的構造解析と結晶構造解析を行った.また,材料自体の曲げ特性を計測することにより応力に対する材料の機械的強度についても評価を行った.さらに,新規プライマーの合成と接着システムの確立を目的として,新規プライマーを試作し,レーザーアシストエッチング照射後のセラミックスに対して作用させ,セラミックスと接着性レジンセメントとの接着に関する構造学的ならびに理工学的性質について検索を着手したところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,実験計画に従い,順調に遂行できている. 研究分担者との連携も順調であり,本年度は途中経過について報告を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き新規プライマーの合成とその接着強さに与える影響について検討を加える.新規プライマーには現在歯科で最も一般的かつ広く使用されているγ-MPTSをポジティブコントロールとし,他のシランカップリング剤あるいはホスフォン酸を用いる予定である.これらのプライマーによる接着強さの影響の結果から,今後接着界面の構造解析を行っていく予定である.なお,接着強さは,表面処理後の被着面上に試作したプライマーを作用させた後,テフロンモールドを用いてレジンセメントを築盛(φ3.6mm×2mm)し,37℃の蒸留水中に24時間浸漬後,万能試験機(5565,インストロン)を用いて初期接着強さを測定を行う.また耐久性評価のために,37℃の蒸留水中に1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月,1年間浸漬および5℃-55℃の水中に60秒間周期で5000回,1万回,2万回の熱負荷を与えた場合についても測定予定している.
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