2016 Fiscal Year Research-status Report
過剰な咬合力により発生した骨吸収を回復する分子の探索とその応用
Project/Area Number |
15K11162
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牧平 清超 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80304450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 裕一 九州大学, 医学研究院, 助教 (60605989)
諸井 亮司 九州大学, 大学病院, 助教 (70325471)
篠原 義憲 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00423533)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / ephrin / Eph / 圧縮 / 伸展 |
Outline of Annual Research Achievements |
過剰な圧縮下で骨芽細胞上のEphB4を、破骨細胞上のNHE10を制御することが骨形成と骨吸収を調節することにつながる可能性が、H23からH26の研究から示された。本研究は過剰なメカニカルストレスが加わる咬合性外傷、インプラント周囲炎などの骨吸収を伴う病変部にEphB4とNHE10を制御可能な分子、つまりephrinB2と抗NHE10モノクローナル抗体を注入し、それらの骨形成促進効果を検討することを目的としている。H27年度は、過剰な負荷がかかった状況で骨芽細胞上の分子の動態を検討するため、周期性伸展(圧縮)刺激を破骨細胞と骨芽細胞に負荷しRNA回収後、ephrinとEphファミリーの遺伝子発現について解析した。その結果、圧縮と伸展刺激ではEphB4の遺伝子発現に差が認められ、ephrinB2分子が圧縮刺激による骨芽細胞の分化抑制作用を抑制する可能性が示唆された。そこでH28年度は、ミニインプラント体を用いたラット動物モデルを用いて、インプラント体埋入直後、つまり主に圧縮の負荷がかかった状況下でのephrinB2とEphB4分子の作用について検討した。その結果、ephrinB2をコーティングしたインプラント体を埋入した場合、なにもコーティングしないコントロール群と比較して、インプラント体周囲骨において骨芽細胞の分化マーカーの発現低下が有意に抑制された。したがって、細胞培養の結果と類似して、ephrinB2分子が圧縮負荷による骨分化の抑制を抑制する可能性が示唆された。今後は動物モデルを用いて、これらの分子の圧縮力下における働きを明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
周期性伸展または圧縮刺激を破骨細胞に負荷し動態を解析する予定であったが、未実施のためやや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度と比較し研究分担者を増員したため困難と予想された動物実験の実施に至った。この研究組織を維持し、平成29年度も動物実験を中心として、円滑な研究遂行に邁進する予定である。
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Causes of Carryover |
破骨細胞に関連した一部の細胞培養実験が完了しなかったためやや遅れ気味である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に破骨細胞に関連した細胞培養実験を実施する。その経費として次年度に本年度の一部を繰り越すこととする。
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Research Products
(2 results)