2016 Fiscal Year Research-status Report
インプラント埋入誘発性BP製剤関連顎骨壊死モデルによる病態解析とリスク因子の探索
Project/Area Number |
15K11166
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
加藤 初実 長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (30613608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤瀬 隆 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (80253681)
佐々木 宗輝 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10706336)
黒嶋 伸一郎 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (40443915)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デンタルインプラント / 顎骨壊死 / ビスフォスフォネート製剤 / ステロイド製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インプラント埋入誘発型ビスフォスフォネート製剤関連顎骨壊死モデルを作製してONJ のリスク判定と病態解明を行い、安全なインプラント治療ガイドラインを作成するための基礎的な科学的根拠を得ることを目的としている。 本年度は、上顎骨にインプラント埋入を行ったラットモデルにビスフォスフォネート製剤とステロイド製剤を長期間投与し、インプラント誘発型薬剤関連顎骨壊死を作製することを試みた。その結果、種々の薬剤濃度のうち、ビスフォスフォネート製剤とステロイド製剤を特定濃度で組み合わせて使用したラットモデルのみが100%の個体で顎骨壊死を誘導させることに成功した。興味深いことに、コントロール群、ステロイド製剤単独投与群、ならびにビスフォスフォネート製剤単独投与群では、インプラント誘発型薬剤関連顎骨壊死は発生せず、インプラントの脱離などは起こらなかった。 顎骨壊死群では、上皮が大きく欠落して骨露出が広範囲にわたり認められたが、インプラント自体は顎骨内にとどまっていたことから、今後は詳細な組織学的検索、3次元的構造解析、免疫組織化学的検索などが必要であると考えらえる。 さらに、一般的にはビスフォスフォネート製剤単独投与でも顎骨壊死のリスクがあることから、ビスフォスフォネート製剤単独投与群における詳細な検索を行って、ビスフォスフォネート製剤とステロイド製剤の併用投与群との比較を行い、ビスフォスフォネート製剤単独投与群に潜むリスクや病態を明らかにすることも必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はインプラント誘発型薬剤関連顎骨壊死モデルの開発に成功したことから、当初の計画通り、研究計画はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したインプラント誘発型薬剤関連顎骨壊死モデルの作製は終了し、コントロール群、ステロイド製剤単独投与群、ビスフォスフォネート製剤単独投与群、ビスフォスフォネート製剤とステロイド製剤併用投与群の4群での動物実験を終えたことから、今後は、1)マイクロCTによる3次元的構造解析、2)各種組織染色による組織形態学的解析に加え、3)各種特異抗体を使用した免疫組織学的検索を行い、ONJのリスク判定と病態解明を行うことを目標とする。
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Research Products
(11 results)