2017 Fiscal Year Research-status Report
義歯の二酸化チタンコーティングの口腔内での防汚効果と床用レジン物性への影響の評価
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15K11174
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
上田 貴之 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (20366173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竜 正大 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20549985)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 可撤性義歯 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
デンチャープラークは、義歯性口内炎や誤嚥性肺炎の一因となる。高齢者や要介護者では、十分な義歯清掃が困難であり、多量のデンチャープラークの付着が認められることが多い。そこで汚れを簡便に洗い流すことができる義歯を開発するために、義歯床表面への二酸化チタンコーティングの応用を試みている。これまでの基礎的研究により、食塊や微生物の付着を減ずることができる可能性と組織為害性がないことを示した。しかし、口腔内における効果の検討は未だなされていない。そこで、床用レジンに対する二酸化チタンコーティングの微生物およびデンチャープラークの付着抑制効果を口腔内にて評価を行った。 被験者は、健常有歯顎者10名(平均年齢27±2歳)とした。各試験には床用レジン片を用い、二酸化チタンコーティングの有無で2群(TiO2-coated群、uncoated群)に分けて行った。 デンチャープラーク染色試験では、レジン片を被験者の口腔内に3日間留置後、歯垢染色液にて染色し、染色率を算出した。微生物数測定試験では、レジン片を被験者の上顎頬側および口蓋部に3日間および7日間留置した。留置後、レジン表面に付着した総微生物数を計測した。粘着物付着性の主観的評価では、口蓋床を装着した被験者にガムをチューイングさせ、その際の付着感をVisual analog scale(VAS)法で評価した。客観的評価には、チューイングガム付着性試験を行った。レジン片間にガムを介在させ圧縮後に牽引力し、その際の最大牽引力を計測した。 染色率、総微生物数およびVAS値については、Wilcoxonの符号付き順位和検定を行った。ガム付着力はStudentのt検定を行った。 床用アクリルレジンに対するスプレー法による二酸化チタンコーティングは、口腔内においてデンチャープラーク、微生物およびチューイングガムに対する付着抑制効果を発揮することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗は概ね計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、平成29年度を最終年度としたものであるが、追加実験を行うことでより研究成果を深化させる可能性が高いため、平成30度末まで研究期間の延長を申請し、受理された。
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Causes of Carryover |
研究期間の延長を申請したため。平成30年の支給はないため、平成30年度の研究経費として全額を使用予定である。
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