2015 Fiscal Year Research-status Report
SDF-1による咬合性外傷抵抗性の顎骨骨質維持作用の探索
Project/Area Number |
15K11187
|
Research Institution | Fukuoka College of Health Sciences |
Principal Investigator |
後藤 加寿子 福岡医療短期大学, その他部局等, 准教授 (60389418)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 尊 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (70330967)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | SDF-1 / 咬合力 / 顎骨 / 骨質 / コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
歯槽骨の骨量、骨質及びリモデリングは破骨細胞による骨吸収、骨芽細胞による骨形成さらに骨細胞を介したこれらの調節により維持されている。しかしながら、この過剰咬合時のメカニカルストレスによる骨形成への効果及び骨芽細胞への調節に関して全く明らかでない。そこで本研究は、このSDF-1が咬合性外傷時のメカニカルストレスによる歯槽骨吸収にどの様に関与するか、また過剰咬合時の歯槽骨リモデリング及びその後の骨量・骨質の回復や維持に関わっているのかを詳細に解明していくことを目的とする。我々はこれまでに、in vivoとin vitro咬合性外傷モデルを作製し、間欠的なメカニカルストレス(iMS)は歯根膜組織からのケモカイン産生を増加させ歯槽骨吸収を誘発すること、同時にiMSに対し種々の異なるCOL線維の産生を増加させ、外傷を防御することを報告した。 今回、ヒト歯根膜細胞へ間欠的伸展刺激(iMS)を与えた場合のケモカイン発現を網羅的に検索した結果,幹細胞維持に関与するSDF-1は2日目で減少が認められた。次にin vitroモデルでマウス歯根膜細胞を用いiMSによる経時変化を観察するとSDF-1発現はMS依存性に3日目以降mRNAとタンパク質の発現が有意に増加した。in vivoモデルではMSにより根分岐部の歯根膜周囲組織のSDF-1発現が認められ、その受容体CXCR4は骨髄・歯髄組織にも発現が認められ、4日目で一過性に増大した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メカニカルストレスによるケモカインの発現、特にSDF-1とCXCR4の変化に注目して免疫組織学的解析検討を行ったが、最長4週間持続し慢性的なメカニカルストレスによるケモカインの発現についてまで確認ができていないので、次年度検討していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
咬合性外傷におけるケモカインSDF-1とその受容体の発現の解析としてマイクロアレイ法により明らかとなった骨形成・リモデリング因子、特にケモカインに関して、実際のマウス抜去歯牙より単離した歯根膜細胞での発現変化とメカニカルストレス依存性とこの下流シグナル活性化経路について解析する。ケモカイン(SDF-1)及びその受容体(CXCR4)KOマウスをジャクソンラボより輸入・購入してin vivoとin vitro咬合性外傷モデルを作製し、野生型と比較解析を行い、咬合性外傷による歯槽骨を引き起こすケモカインを明らかにしていく。
|
Causes of Carryover |
科研の遂行上、発注した薬品、抗体類が海外からの取り寄せのため、納期が遅延したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
納期が遅れた薬品類に関して、至急支払いを行う。
|
Research Products
(1 results)