2016 Fiscal Year Research-status Report
新たに舌小帯押板が付いた睡眠時無呼吸症候群治療用口腔内装置の開発と臨床応用
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15K11200
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
鈴木 浩司 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80349977)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 睡眠時無呼吸 / 口腔内装置 / 下顎前方位型 / 舌小帯 / 咽頭軌道 / 舌 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
咽頭気道は、周囲を軟骨で支持された気管とは大きく構造が異なり、その周囲は軟部組織でのみであり、咽頭気道の開通性は周囲に存在する咽頭気道拡大筋の活動に大きく依存している。従って、睡眠時にこの活動が大きく低下した場合には非常に閉塞性が高くなり、無呼吸（OSA)を発生させるのである。従ってOSAの治療は、この気道閉塞を解き、以下に呼吸路を確保するのかが重要となる。CPAP療法は最も一般的であり、外科的手術として咽頭拡大術が行われる場合もあるが、様々な理由でCPAPの使用継続ができない場合、あるいは外科手術の適応でない場合はOral Appliance（OA）が用いられる。OAは手術に比べ侵襲が少なく、CPAPに比較し扱いやすいという利点があるものの、維持するめの歯の存在が必須であり、少数歯残存や無歯顎の場合適応が難しい。また、下顎を前方位にて固定するMandibular Advanced Device (MAD) は副作用として歯の違和感, 顎関節痛や長期使用による咬合の変化が報告されており、新たな方法による咽頭気道を開通させる方法を検討し試作品を作製した。今回、気道確保の絶対条件である密封を解くという目的で口腔底部の舌小帯を後下方に押すためのLFDを考案し、MADに付着した結果、舌の形態を変化させて咽頭部気流を確保できる可能性が示唆された。これは、MADに付着したLFDが舌小帯を後下方に押しこむことで、舌体中央にある舌中隔が変形し、舌背中央部から舌根後方中央部までがクレパス状に凹んだ状態に形態変化するからと思われる。この生じた凹みが新しく僅かな空気の通り道になってくれれば、閉塞は起こらず、胸郭の陰圧は改善され、気道改善の道が広がると考えられる。また、本装置は下顎を7割出さずとも約4割弱の前方位で空隙が確認されたため、顎関節や咀嚼筋に与える影響は極めて少ないと思われる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は試作品を作製し、実際に睡眠時無呼吸症（OSA）患者に使用し、良好な評価と結果を得た。また本研究内容については睡眠専門雑誌に論文投稿し、現在受理を前提に修正している最中である。従って、概ね順調に進んでいると思われる。
本研究は全く新しい内容で、過去に報告もないことから、実験結果の正当性をいかにして睡眠を専門している研究者の方々にわかって頂くかが難しい。論文投稿においてもrejectも多く、追加実験等も指示され、中々結論付けられない事実もある。この点は当初予測していなかった事柄である。
今後は被験者数を十分に確保し、データ採取に取り組みたいと思っている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は新規舌小帯押板(LFD)の作用および機能の基礎的検討を完成したいと考えている。すでに申請者は舌小帯押板を付着したMADを装着してMRIを撮影した結果、舌の形態が見事に変形し、気道が確保されていた内容について論文投稿した。この中で最も効果が得られる形を選出し、形態を突き詰めていきたいと考える。また従来型MADに付着させ、新型MADとして臨床応用に展開するための基盤となる研究を行う。最終年度に向けて以下のことを明らかにする。１．舌小帯押板と従来型MADとの適切な接着を検討する。２．舌小帯押板の試作品の中から一番舌を効果的に形態変化させているものを選ぶ。３．新型MADの装着感、使用感について評価を得る。４．従来型MADと新型MADで咽頭部の形態変化を評価する。５．実際に研究協力者の睡眠中に装着し、睡眠状態の改善効果があるかどうかを判定する。また、本結果を学会発表や論文投稿を行い、有効性を広く訴えたいと考えている。
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