2015 Fiscal Year Research-status Report
マウスガード装着による疲労・疼痛の軽減効果に関するメカニズムの解明
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15K11203
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
若見 昌信 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (60297851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 紀之 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (10155997)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マウスガード / 疲労 / 痛み / 筋活動 / 周波数 / 咬合様相 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスガードの装着による効果は,スポーツプレー中に生じる外力の衝撃を吸収することにより口腔領域の外傷や脳震盪の予防,さらに,運動能力が向上するなど,マウスガードの装着効果が期待されている。マウスガードの装着における噛みしめが,歯の破折の精神的ストレスを軽減し,安定した咬合バランスと咬合力の分散により,スポーツ競技中に生じる噛みしめの痛みや疲労自覚を軽減させ,スポーツパフォーマンスを向上させるのではないか,マウスガード装着の有無による筋電図と周波数および咬合様相を分析し,さらに,疲労・疼痛自覚の軽減と前頭認知・情動領域での活動性との関連から合わせて心理的効果について研究を行った。 マウスガードの製作は本学学生ラグビー部男子8名ならびに教員2名にEVAレギュラーシートを用いて製作した。筋活動量,f-NIRLおよびf-MRIにおいて,マウスガード装着感が違和感を生じると計測に影響があるため,違和感が消失するまで調整および使用させた。 学生ラグビー部男子5名ならびに教員2名に,最大噛みしめ30秒間を行い,咬筋,側頭筋,胸鎖乳突筋のマウスガードの装着の有無による筋活動量を計測した。得られた顎筋活動データは解析プログラムを介して実効値(RMS)を算出した。マウスガードの装着と非装着における1秒毎検出し10秒間ごとの筋活動量を求めの比較では有意な差は認められなかった。収録した筋活動より周波数を算出し分析を行った。咬筋および側頭筋においてマウスガーの装着による周波数の低域が有意に認められたので,マウスガードの装着は咀嚼筋に影響を与えていることが示唆された。 マウスガードの装着時と非装着時の咬合様相の解析は,デンタルプレスケールを用いて,咬合接触様相を記録し,オクルーザーにて咬合接触面積ならびに咬合力の解析を行った。咬合力にが差がなかったが接触面積に有意な差が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスガードの製作は本学学生ラグビー部男子8名ならびに教員2名にEVAレギュラーシートを用いて製作した。筋活動量,f-NIRLおよびf-MRIにおいて,マウスガード装着感が違和感を生じると計測に影響があるため,違和感が消失するまで使用させたが3名が1年生であり初めてのマウスガード装着のため慣れるのに時間を費やした。 学生ラグビー部男子5名ならびに教員2名に,最大噛みしめ30秒間を行い,咬筋,側頭筋,胸鎖乳突筋の筋活動量を計測した。得られた顎筋活動データから実効値(RMS)を算出した。また,収録した筋活動から,周波数検出し,噛みしめ開始から1秒毎に,総パワー値,平均パワー周波数,累積周波数,メディアン周波数を算出し,被験筋のマウスガードの有無に対する比較検討した。また,貼り付ける電極を同じ位置にするためと口腔内の状態を記録するために,購入した専用のカメラにて撮影を行った。 マウスガードの装着時と非装着における,デンタルプレスケールを用いて,咬合接触様相を記録し,オクルーザーにて咬合接触面積ならびに咬合力の解析を行った。 マウスガードの装着と非装着における脳活動量と皮質領域の計測では,脳活動の記録には脳血流計測装置光トポグラフィーを用いて脳血流データの解析を行う予定だったが,被験者にマウスガードが慣れていなかったことと,f-NIRSと筋電図を同時に採得する予定だったが,検査するが側がまだ慣れていないため,ノイズが大きくデータが上手く採得できなかった。そのため,f-NIRS及びf-MRIに対する検査が遅れている。 タスク負荷において,最大噛みしめ30秒間と最大噛みしめ時の70%値噛みしめを可能なかぎりによる計測を行う予定だったが,計測モニターに最大噛みしめ筋活動量の70%値のラインが表示できるようなソフトの製作ができず,負荷条件を最大噛みしめ30秒間での筋活動量のみ計測した。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者数を増やし,マウスガードを作製し,違和感がなくなるまで使用してもらう。先ずは計測が上手くできるようにしなければならない。筋活動量の計測はこれまでも実験してきたことから問題はないが,脳血流計測装f-NIRSでは,共同研究者成田准教授の指導のもと計測を行っているが,プローブ(22CH)の位置の設定には熟練が必要と思われる。 タスク負荷において最大噛みしめ時の咬筋活動量の最大値の70%値を求め,計測モニターに最大噛みしめ筋活動量の70%値のラインが表示できるようにソフトを協力者である産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門の遠藤博史先生に製作を依頼する。 実験環境に関して,計測に必要な筋活動計測器およびf-NIRSや解析プログラムは,現有設備として当大学共同研究室に所有している。しかし,f-NIRS装置は1つしかないため同様な研究をしている研究者がいることと,計測には被験者である学生との都合があるため実験する時間が限られているのが現状である。また,f-MRIにおいても,当病院の所有しているMRIを用いるため,病院診療終了後のため計測回数が少ない。さらに,本学レントゲン技師および放射線学講座の協力を得ているが,被験者との都合を合わせが困難であるため,現在もラグビーを行っている本学のOB教員の被験者を増やすことで対応する。
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Causes of Carryover |
物品費において、筋活動およびf-NIRS用のノートパソコンはすでに購入しているが、f-MRI用のPCはf-MRIの撮影が準備中のため未購入である。人件費・謝金は、タスク負荷70%のソフトの開発として予算を計上していたが、最大噛みしめのみの筋電図および周波数のデータを収集しているため、ソフトの開発を依頼していないため未使用である。データ収集がある程度揃った後、データの解析としてSPSSを購入予定のため次年度へとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
f-MRI用のPCはf-MRIの撮影準備終了後に容量を考慮し購入する。28年度前期においてタスク負荷の最大噛みしめが終了させる予定のため、その後に人件費・謝金として、ソフト開発を協力者に依頼する。解析ソフトSPSSは、現在までに収集した筋電図および周波数のデータを解析するために早急に購入する。また、被験者が予定した人数より少ないため28年度は特に教員の人数を増やすことにより、マウスガードシートや検査器材、その他論文投稿や英字論文校閲として使用します。
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