2017 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of bioabsorbable alpha-betaTCP composite injectable bone substitute material
Project/Area Number |
15K11206
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
丸田 道人 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (40507802)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リン酸カルシウム / 熱処理 / 結晶性 |
Outline of Annual Research Achievements |
リン酸三カルシウムは現在市販され臨床応用されている骨補填材の基本成分であるが、溶解速度の制御が課題であった。αTCPは溶解が早く、足場としての機能が失われるため、新生骨の形成が十分に行われない。本研究ではリン酸三カルシウムを熱処理することによりαTCP-βTCP複合体を作成し、生体での吸収性(溶解性)をコントロールすることを目的に実験を行った。 前年度までに確立したα-β複合型TCP球のβ含有量が0-100 mass%と変化させたものを調製した。 動物実験に先立ち、溶解実験を行い埋入期間の目安とした。これまでの研究で、α-β複合型TCP球のαTCP含有量が増加するに従って、リン酸緩衝液下でのα-β複合型TCP球の分散が加速的に進むことが明らかになった。これを防ぐために、ヒアルロン酸ゲルとの複合化を行いリン酸緩衝液下での分散能をコントロールできることも明らかにした。 しかしながら、前年度の概要でも示した通りαTCPの含有量が多くなると試料全体としては酸性に傾いてしまうため試料は埋入前に37度の生理食塩水にて24時間あらかじめ水和反応させたものを使用することとした。これまでの研究結果から、実験動物を用いた病理組織学的検討では、α-β複合型TCP球のβ含有量を50%とした。また、比較検討のため使用したβTCPはα-β複合型TCP球と同様の調整方法で熱処理時間を延長してαTCPをβTCPに相変換させたものを使用した。ラット頭蓋骨に欠損を作成し、α-β複合型TCPにて再建を行った。試料は埋入後2,4、8週に試料を含む頭蓋骨を摘出した。得られた試料はレジンに包埋し、薄切切片をビラヌエバゴールドナー染色で観察した。HApやβTCPがほとんど吸収されていないのに対して本研究で調製した複合体では埋入した球の吸収による若干の縮小が観察された。
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