2015 Fiscal Year Research-status Report
Er:YAGレーザー併用によるサイトカイン療法の象牙質および歯周組織再生効果
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15K11233
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Research Institution | Tsurumi Junior College |
Principal Investigator |
小林 一行 鶴見大学短期大学部, 歯科衛生科, 准教授 (70288116)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Er:YAGレーザー / hPDL細胞 / TGF-β / MMP |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト歯根膜由来培養細胞(hPDL細胞)を用い, Er:YAGレーザー(レーザー) 未照射・照射群に対して象牙質タンパク質, エナメルタンパク質及びトランスフォーミング成長因子β(TGF-β)を添加後, 培養を行いアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を測定してレーザー照射がhPDL細胞に与える作用を確認した。また, TGF-βⅠ型受容体の阻害剤であるSB431542(SB)を未添加または添加したhPDL細胞にレーザー照射を行い培養後, ALP活性の測定及びMTSアッセイを行ってレーザー照射に対するTGF-β活性の影響及び細胞増殖能を評価した。さらに, レーザー照射によるTGF-βの活性化について調べるため, latent TGF-βにレーザーを照射後hPDL細胞に添加し, 培養後にALP活性の測定を行った。 その結果, レーザーをhPDL細胞に対し照射することによりALP活性が上昇することから硬組織形成能が促進する可能性が示唆されたが, レーザー照射が直接的に細胞内に存在するlatent TGF-βを活性化しないことが示唆された。 一方, 歯髄組織においては, ブタ歯髄組織にレーザーを照射後タンパク質を抽出した。レーザー未照射群及び照射群のタンパク質試料をhPDL細胞に添加後, ALP活性を測定してレーザー照射の有無による歯髄組織中のTGF-β活性を評価した。また, 抽出タンパク質の変化やマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性をSDS電気泳動及びザイモグラフィーで比較検討した。 その結果, 歯髄組織に対するレーザー照射はTGF-β及びプロテアーゼの活性化をもたらすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究実施計画に従いブタ永久歯歯胚から象牙質タンパク質及びエナメルタンパク質の抽出,分離,精製を行った。ヒト歯根膜由来培養細胞(hPDL細胞)を用い, Er:YAGレーザー(レーザー) 未照射・照射群に対して象牙質タンパク質, エナメルタンパク質及びトランスフォーミング成長因子β(TGF-β)を添加後, 培養を行いアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を測定し, レーザー照射がhPDL細胞に与える作用を確認した。また, TGF-βⅠ型受容体の阻害剤であるSB431542(SB)を未添加または添加したhPDL細胞にレーザー照射を行い培養後, ALP活性の測定及びMTSアッセイを行ってレーザー照射に対するTGF-β活性の影響及び細胞増殖能を評価した。さらに, レーザー照射によるTGF-βの活性化について調べるため, latent TGF-βにレーザーを照射後hPDL細胞に添加し,培養後にALP活性の測定を行った。 一方, 歯髄組織においては, ブタ歯髄組織にレーザーを照射後タンパク質を抽出した。レーザー未照射群及び照射群のタンパク質試料をhPDL細胞に添加後, ALP活性を測定してレーザー照射の有無による歯髄組織中のTGF-β活性を評価した。また, 抽出タンパク質の変化やマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性をSDS電気泳動及びザイモグラフィーで比較検討した。 歯根膜細胞や歯髄組織に対するレーザー照射はTGF-βを活性化する作用があり, 硬組織形成能を促進する作用があることを確認でき, その作用は各種MMPが深く関わっていることが判明した。 以上のことから, おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究成果から歯根膜細胞や歯髄組織に対するEr:YAGレーザー(レーザー)照射はトランスフォーミング成長因子β(TGF-β)を活性化する作用があり, 硬組織形成能を促進する作用があることを確認でき, その作用は各種マトリックスメタロプロテアーゼ (MMP)が深く関わっていることが判明した。しかしながら, レーザー照射によるその作用機序が明らかでないことから, 平成28年度はMMPの作用を中心に研究を遂行する必要があると考え, 歯周組織においてはレーザー照射後のヒト歯根膜由来培養細胞を用い各種MMPに対してリアルタイムPCR, ザイモグラフィーを行う。 一方, 歯髄組織においては未照射群の抽出物試料をヘパリン・クロマトグラフィーにて分離し, 各画分の凍結乾燥試料に対してレーザー照射を行い, 惹起されたプロテアーゼの同定を質量分析にて試みる。また,ヒト歯髄由来培養細胞(hDP細胞)を用い, レーザー未照射・照射群に対して象牙質タンパク質, エナメルタンパク質及びTGF-βを添加後, 培養を行いアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を測定し, レーザー照射がhDP細胞に与える作用を確認する。さらに, TGF-βⅠ型受容体の阻害剤であるSB431542(SB)を未添加または添加したhDP細胞にレーザー照射を行い培養後, ALP活性の測定及びMTSアッセイを行ってレーザー照射に対するTGF-β活性の影響及び細胞増殖能を評価する。そして, レーザー照射後のhDP細胞を用い各種MMPに対してリアルタイムPCR, ザイモグラフィーを行う。 レーザー照射の作用機序やサイトカイン療法に関する実験結果をみて, 動物実験の実施を検討する。
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Research Products
(1 results)