2016 Fiscal Year Research-status Report
自家再生組織移植における危険関連分子パターンの解析と再生医療への応用
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15K11236
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 夕子 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (50466744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30344451)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 軟骨再生医療 / DAMPs |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、細胞培養から移植後早期にかけた非生理的環境により誘発された細胞傷害は、危険関連分子パターン(danger-associated molecular patterns, DAMPs)を放出し、組織反応を惹起することが明らかとなってきた。本研究では、再生医療の導入が期待される軟骨再生医療において、DAMPsが軟骨再生に与える影響を検討し、得られた知見を、再生組織に対する組織反応制御に役立てることを目指している。 平成28年度は、DAMPs放出軟骨細胞が惹起する組織反応の検証を行った。C57BL/6J マウスから耳介軟骨細胞を採取し、熱処理を加えDAMPs放出細胞を調整した。熱処理を加えない軟骨細胞をコントロールとし、それぞれDMEMに懸濁後、23 Gシリンジを用いてC57BL/6Jマウスへ腹腔投与した。投与後1-4日後に、腹腔に集積した細胞を回収したところ、DAMPs放出細胞を萌出したマウスでより多くの細胞が腹腔に集積していることが明らかとなった。 次に、再生軟骨移植において、移植する細胞に生存性の低下した軟骨細胞が含まれていた場合を想定し、DAMPsが再生軟骨移植に及ぼす効果を検証した。 DAMPs放出軟骨細胞とコントロール軟骨細胞をそれぞれ調整し、5 x 5 x 3 mmのポリ乳酸(PLLA)多孔体へ播種して、再生軟骨を作製した。作製した再生軟骨を、同じ遺伝子型を持つ同系マウスの背部皮下へ移植し、移植後2週および8週で摘出した。DAMPs放出軟骨細胞を用いた再生軟骨組織では、軟骨基質の蓄積が有意に低下しており、また、移植後2週におけるF4/80陽性細胞数の増加を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の予定通りに、実験が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、DAMPsのレセプターとして報告がある因子の発現を検討しているが、発現が上昇する因子について、中和抗体を用いた検討を進める予定にしている。
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Causes of Carryover |
キャンペーン中で通常よりも安価で購入できた試薬があったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検討する候補因子の数をふやして、解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] T2 and Apparent Diffusion Coefficient of MRI Reflect Maturation of Tissue-Engineered Auricular Cartilage Subcutaneously Transplanted in Rats.2016
Author(s)
Fujihara Y, Nitta N, Misawa M, Hyodo K, Shirasaki Y, Hayashi K, Kosaka R, Homma K, Numano T, Kuribayashi S, Watanabe Y, Sato J, Ohtomo K, Takato T, Hoshi K.
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Journal Title
Tissue Eng Part C Methods.
Volume: 22(5)
Pages: 429-38
DOI
Peer Reviewed
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