2015 Fiscal Year Research-status Report
p53ノックアウトマウス人工授精凍結胚を用いた口蓋裂発生メカニズムの解析
Project/Area Number |
15K11237
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
児玉 泰光 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90419276)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 口蓋裂 / p53遺伝子 / ノックアウトマウス / 疾患感受性遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
CL/Fr, MSM-p53KOマウスで照射実験 マウスの口蓋形成では、口蓋突起の挙上、水平方向への突起の成長、口蓋突起の癒合という形態変化が、1日で生じる。そのため、発生生物学で使用されている交配におけるvaginal plugによる授精時期の判定では、胎仔の口蓋形成の程度にばらつきが生じることが大きな支障となっていた。そこで授精時期を厳密に管理でき、研究データのばらつきも減少させられることから、本研究では、凍結授精胚の応用を採用した。凍結授精胚を母マウスに移植し、妊娠8日、9日、10日目にγ線照射を行い、妊娠19日目で妊娠マウスを安楽死させ、開腹にて胎仔を摘出し、裂奇形の有無、体重、他の外表奇形について観察した。しかし、予定よりも凍結授精胚からの胎仔の獲得数が少なく、凍結授精胚自体の獲得数も多くなく、他の方法の検討を行う必要性がでてきた。発生初期では同腹子の胎仔でも、体重が異なることが報告されている。口蓋突起の挙上、水平方向への突起の成長、口蓋突起の癒合という大きな形態変化が生じる胎生(E)14.5の胎仔の体重と口蓋形成の程度に関連性があるか検索した所、胎仔の体重で口蓋形成のステージを推定できることが明らかとなった。より数多くの胎仔で観察するために、個体のCL/Fr, CL/Fr -p53KOマウスを作成し、vaginal plugと胎仔の体重を併用した新たな授精時期の判定による胎仔獲得を、凍結授精胚の応用実験と平行して行うこととした。現在、γ線照射量および照射時期によって生じる裂奇形の傾向を観察している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定よりも凍結授精胚からの胎仔の獲得数が少なく、凍結授精胚自体の獲得数も多くなく、新たな胎仔獲得法を模索する必要が生じた。発生生物学で使用されているvaginal plugによる授精時期の判定に、胎仔の体重を加味させることにより、凍結授精胚の応用に匹敵する授精時期の厳密な管理と、研究データのばらつきの減少が可能となった。凍結授精胚の応用と、vaginal plugによる授精時期の判定+胎仔の体重を同時に行うことにより、現在では、実験に必要なサンプル数を獲得することができるようになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
CL/Fr-p53KOマウスでp53関連遺伝子群の機能解析 p53遺伝子の活性化により発現量の上昇が知られているp53関連遺伝子として、p21(細胞周期制御に関与)、GADD45(DNA修復に関与)、Bax(アポトーシスに関与)、MDM2(p53機能制御に関与)に注目し、p53遺伝子型と口唇口蓋裂の有無でそれらの遺伝子の発現タンパク量をウェスタンブロット法で解析する。また、最も細胞増殖が盛んな胎生日前後の胎仔口蓋突起の切片を作製して形態学的に解析するため、胎生11.5日から12時間毎に13.5日までの胎仔の口蓋突起部の前頭断連続切片を作製し、HE染色で全体像および細胞核の状態を観察する。一方で、TUNEL法にて口蓋局所のアポトーシスの評価し、Brd-U法にて細胞増殖の程度を観察する。最終的に、p53遺伝子型と口蓋突起部の細胞動態および発症率との関連性について検討を行う。
|
Causes of Carryover |
本年度,研究室の移転等の関係で,一時的に研究が停止したため,使用することができなかった消耗品が若干生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度中に最終移転を終え,実験は順調に進んでいる.本年度は昨年度分も合わせた実験の遂行・予算執行が可能なように,前述の推進方策を計画した.この推進方策に従って,必要な実験動物,試薬等の消耗品類を購入する.また国内学の学会における成果発表の旅費に充てる.
|
Research Products
(3 results)
-
[Presentation] The role of miRNA in orofacial development2016
Author(s)
Nagai T, Kawasaki M, Kawasaki K, Watanabe M, Nishikawa A, Kodama Y, Takagi R, Maeda T, Ohazama A
Organizer
Collaborative symposium. Faculity of Dentistry: Universitas Indonesia-Niigata University
Place of Presentation
Lombok、(Indonesia)
Year and Date
2016-01-09 – 2016-01-11
Int'l Joint Research
-
[Presentation] The role of Ofd1 in palatal development2016
Author(s)
Watanabe M, Kawasaki M, Kawasaki K, Nagai T, Nishikawa A, Kodama Y, Takagi R, Maeda T, Ohazama A
Organizer
Collaborative symposium. Faculity of Dentistry: Universitas Indonesia-Niigata University
Place of Presentation
Lombok、(Indonesia)
Year and Date
2016-01-09 – 2016-01-11
Int'l Joint Research
-