2016 Fiscal Year Research-status Report
カテキンの上皮成長因子受容体分解作用を応用した口腔癌治療の検討
Project/Area Number |
15K11240
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉村 仁志 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40362917)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,口腔扁平上皮癌細胞株のマウス腫瘍移植モデルにおける,カテキンの一種であるEpigallocattechin-3-gallate: EGCGの腫瘍増殖抑制効果効果を検討した.口腔扁平上皮癌の細胞株であるHSC2,HSC-3,HSC-4のうち最も低分化とされるHSC-3を,担体となる物質と混和した上でヌードマウスの背部に移植し(200万個),コントロール群とカテキン投与群に分けた.カテキンは腹腔内への投与経路を選択した.週一回腫瘍のサイズを確認し,1か月後にマウスから癌組織を取り出し,4%PFAで固定後,パラフィン切片を作製した.HEと免疫組織化学的染色を行い,EGCGを投与した効果について生化学的・組織学的に検討した.EGCGを1.5mg/bodyを週2回で腹腔内投与した場合には,腫瘍体積の評価において腫瘍細胞の増殖は有意に抑制され,また細胞分裂について MIB-1を用いて調べたところ,有意な抑制効果を認めた.現在,TUNEL染色にて腫瘍のアポトーシスを評価すると伴に,免疫染色にてEGFRの発現およびリン酸化,下流のシグナル分子としてERK,AKTのリン酸化について評価し,またEGCGによるEGFRの蛋白分解とそれによる増殖抑制作用の有効性について評価する予定である.またEGFRの抗体薬や低分子チロシンキナーゼ阻害薬による細胞増殖抑制効果に,EGCGが相乗的な効果を発揮できるかについても今後検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床および研究に必要な時間がやや増加しており,実験の時間がやや不足傾向にある.
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Strategy for Future Research Activity |
週2回に実験ができる時間を確保し実験を遂行していく.
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Causes of Carryover |
臨床および教育に必要な時間が増大しており,研究がやや遅れている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
時間を確保し実験を進めるとともに,場合によっては研究期間の1年延長も考えたい.
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