2016 Fiscal Year Research-status Report
骨芽細胞ニッチおよび造血幹細胞が引き起こす骨粗鬆症分子病態メカニズムの解明
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15K11246
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山近 英樹 岡山大学, 大学病院, 講師 (10294422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / ビスフォスフォネート / リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度にリセドロネートと同じビスフォスフォネート系薬剤としてゾレドロネートについて追加実験を行ったところこの2種類のビスフォスフォネート系薬剤間で全く異なる結果を得ていた。そこで詳細にT細胞、γδT細胞に与える影響を確認する目的で、複数のマウス系統について追加実験を平成28年度最初に行った。 そもそもビスフォスフォネートのT細胞への影響については、促進的に働くとするレポートと、抑制的に働くとするレポートが混在している。これらからはマウス系統の違いによりビスフォスフォネートに対するT細胞の動きが系統により異なる可能性が示されていた。 我々の結果も、Icrマウスでは、リセドロネート投与により減少傾向を示したT細胞が、C57BLマウスでは同じビスフォスフォネート系薬剤であるゾレドロネート投与により増加していた。Icrがクローズドロニー系でC57BLマウスは近交系である事を勘案して興味深い結果である。 さらにIcrマウスの血清について、マルチプレックスアッセイの解析結果からは、IL-6, TNF-α, IFNγがリセドロネート投与により増加していることが示された。また大腿骨髄細胞の解析からは、IcrマウスではT細胞が減るが、C57BLマウスでは、とりわけCD4陽性のT細胞が増えまたRUNK1の発現も増加していた。 平成28年度下旬には、T細胞にターゲットを絞り、胸腺よりT細胞を回収しIL-2添加培地で培養おこない、ゾレドロネート投与による細胞増殖曲線、notchシグナル、Ikaros, Wnt10bについてRT-PCRによるシグナル発現の解析を行う事としT細胞の培養を開始しており、平成29年度の研究へと継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フローサイトメトリー解析が全般に順調で、T細胞のサブセット解析が良好に進められるようになった。この結果より骨粗鬆症治療薬のビスフォスフォネートが免疫系細胞とりわけT細胞へ影響を持つことを明らかにしている。 骨髄細胞の解析と、血清の網羅的解析のために行ったマルチプレックスアッセイはIL-6, TNF-α, IFNγがリセドロネート投与により増加することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでの検証。培養T細胞にターゲットを絞り、胸腺よりT細胞を回収しIL-2添加培地で培養おこない、ゾレドロネート投与による細胞増殖曲線、notchシグナル、Ikaros, Wnt10bについてRT-PCRによるシグナル発現の解析を行う事とする。 in vivoでの検証。骨髄での骨芽細胞ニッチとのT細胞の関連精査目的にて、マウスの骨芽細胞のALCAM/Sca1蛍光2重染色により、骨芽細胞のALCAM/Sca1状態と免疫系細胞とりわけT細胞へ与える影響を精査する。具体的には骨芽細胞のALCAM/Sca1状態の違いによりCD4, CD8陽性細胞数の変化や IL-2, IL-7, TNF-α, IFN-γなどに与える影響を精査する。
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Research Products
(2 results)