2015 Fiscal Year Research-status Report
軟骨組織からみた免疫抑制剤作用基盤の分子レベルでの差別的解析とその応用
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15K11248
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
仲田 直樹 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90626251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山近 英樹 岡山大学, 大学病院, 講師 (10294422)
滝川 正春 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20112063)
森谷 徳文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60467751)
久保田 聡 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90221936)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ステロイド / 免疫抑制剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)HCS-2/8細胞を用い、in vitroにおいてデキサメタゾンとタクロリムスのCCN2/CTGF遺伝子発現調節機構を分子生物学的手法を用いて明らかにすることが目標であった。すでに本研究グループが行った研究でHCS-2/8細胞においてデキサメタゾンはCCN2/CTGFの遺伝子発現を促進することが明らかとなっていたが、促進に関わる因子と遺伝子上の標的領域は不明であり、これを解明することを目指した。またHCS-2/8細胞を用い、in vitroにおいてタクロリムスのCCN2/CTGF遺伝子発現調節機構を分子生物学的手法を用いてデキサメタゾンの場合と同様に明らかにしようとした。この解析にはルシフェラーゼアッセイの応用、転写因子などの関連タンパク質の同定にはゲルシフトアッセイ、サウス/ノースウエスタン法を主として用いたが、想定していたような結果を得ることができなかった。 2)HCS-2/8細胞を用いた、デキサメタゾンとタクロリムスによって変動する遺伝子を網羅的に検索するトランスクリプトーム解析 HCS-2/8細胞をデキサメタゾンで刺激した場合、CCN2/CTGF遺伝子発現調節が最も盛んな時間と濃度においてマイクロアレイの手法を用いて他の変動遺伝子の検索を行っており、これにならいタクロリムス刺激の効果も同様に網羅的に解析を行う予定であった。そしてデキサメタゾンとタクロリムスでの2つのマイクロアレイの結果を解析し、同方向に変動する遺伝子、相反する方向に変動する遺伝子、一方のみによって変動する遺伝子に、変動遺伝子を分類し次の解析対象とする予定であった。しかし計画進行の遅れによって目標の達成が困難となり新規関連遺伝子を得るところまで至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記実績概要に示した1)のように想定していたような研究結果を得ることができなかったこと、それによって2)の進行計画にも遅延が生じ、元来目標としていた進達点まで到達できなかったことにより計画全体に遅延が生じている。今年度の結果を次年度以降の研究の基盤データとする予定であったが、その部分に対しても遅延を生じる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の遅延を回復するために当初平成27年度内に予定していた新規関連遺伝子の中から、ステロイドおよびタクロリムスの薬理効果と副作用に深く関与すると考えられる遺伝子を選び出すことをまず目標とし、今年度予定の遺伝子発現変動のin vitroにおける検証を推進する。また当初計画立案時に想定していた、成果が得られなかった場合に行う予定としていた口腔粘膜を対象とした追加検討を行う。口腔粘膜に生じ自己免疫疾患とも捉えられている口腔扁平苔癬は、その治療にデキサメタゾン・タクロリムスが使用されている。そのため、口腔内から採取した歯肉から歯肉線維芽細胞・角化細胞の初代培養細胞を作成して、デキサメタゾン・タクロリムスを作用させ、同様の研究を行うことを当面の目標とする。
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Causes of Carryover |
学会参加旅費について予定では2回としていたところ、実際には1回の参加のみとなったために予算消化が計画どおりでなくなったために次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の推進方策で述べた計画を推進すること、ならびに口腔粘膜を対象とした追加検討を行うための予算として当該年度分と合わせて使用する。
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