2016 Fiscal Year Research-status Report
唾液を用いたシェーグレン症候群の診断および重症度分類法の確立
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15K11256
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大山 恵子 九州大学, 大学病院, 助教 (60740719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / サイトカイン / 唾液 |
Outline of Annual Research Achievements |
シェーグレン症候群(SS)は「難治性疾患」に指定されており歯科医師がSS患者を診察する機会も増えると考えられる。この特定疾患の認定には重症度により選定される予定であり、現時点ではヨーロッパリウマチ学会の分類案(ESSDAI)が用いられているが、この分類では、患者の唾液中のサイトカイン濃度を測定することよりリンパ球浸潤程度と正の相関を認めることを明らかにしている。そこで本研究では、より病態を反映した評価法の作成を目的に患者の唾液を用いた診断法及び重症度の評価法の確立を目指す。 本研究は、まずSS患者の口唇腺を用いて病態発症に関与する分子をDNAマイクロアレイ法にて網羅的に検索した上で疾患関連分子を同定し、さらに唾液で検出できるかを検証する。対象はSSをはじめ、コントロールとして健常者、そしてSSの類似疾患として神経性・薬物性、放射線性口腔乾燥患者の口唇腺および唾液を採取する。検査方法は実用性を考えると、勘弁で再現性が保たれていることが必要条件であり、そのため、濃度測定には短時間で数十種類の分子を一度に測定できるCBA flex system (Flow cytometry 法)を用いる予定である。最終的にはその測定結果と臨床所見(唾液量、VAS、画像所見、血清学的所見など)との相関について検討し、重症度分類に応用可能かを検討する。 今年度はSSと健常者(粘液貯留嚢胞)の口唇腺より抽出したRNAを用いて遺伝子発現パターンをクラスタリングで比較し、Gene Ontology アノテーションを用いて発現変動遺伝子の機能解析を行う目的にて唾液腺サンプルを収集している途中であり、倫理委員会への申請準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象である口唇腺サンプルは研究に必要な6症例中4症例までは採取している。採取に際して患者協力が必須であるが、サンプル採取が困難なため当初の計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究サンプルの採取ができれば研究は進むと考えられるため本年度中に必要なサンプルを採取し、測定データ解析予定である。
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Causes of Carryover |
研究に必要なサンプルが収集途中のため測定やデータ解析費用を要しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度には初年度に測定できなかったDNAマイクロアレイ法や、Flow cytometry法を行うため当初の予定額が必要と考えられる。
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