2016 Fiscal Year Research-status Report
ID family分化抑制因子による唾液腺癌細胞における浸潤、転移制御機構の解明
Project/Area Number |
15K11257
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
住田 知樹 九州大学, 大学病院, 講師 (50314951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 悦秀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (00231639)
山田 朋弘 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (60335619)
中野 旬之 九州大学, 大学病院, 講師 (60511730)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / ホルモン療法 / IDタンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
Idタンパク(Inhibitor of DNA-binding/differentiation)は細胞の増殖の調整や分化を阻害するbasic helix-loop-helix型転写因子の抑制をしているとされている。Idタンパクは1~4の4つのサブタイプをもつが口腔癌細胞におけるId2の役割はこれまで明らかになっていない。そこで我々はId2発現を欠如した口腔扁平上皮癌細胞を用いてId2の細胞増殖・浸潤に及ぼす役割を調べた。Id2発現のない口腔扁平上皮癌細胞Ca9-22にId2遺伝子の導入を行い、それぞれ細胞増殖能、浸潤能、マトリックスメタロプロテアーゼの発現の解析などを行った。Id2導入によりCa9-22は増殖能、浸潤能ともに促進を認めた。Id2発現細胞はN-cadherin,Vimentinの増加を認め、上皮間葉転換を認めた。MMP2、MMP9の発現と活性亢進を認めた。免疫沈降ではId2とジンクフィンガー転写因子であるsnailファミリーのSNAIL1と直接結合することが明らかとなった。Id2の発現はCa9-22の悪性形質の促進に働くとわかり、中でもId2-snail axisが浸潤能へ強く関与していることが示唆された。これまでの結果よりId2は口腔扁平上皮癌の悪性形質獲得に重要な働きをしていることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度は本研究課題に関する研究成果をまとめることが出来、順調に研究が進展しているものと考えている。最終年度もこの計画に則り研究を進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度もこの計画に則り研究を進め、結果を海外雑誌に掲載すべく頑張っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
必要試薬と、その使用時期がうまく調整できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰り越し、必要試薬の購入を考えている。
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