2017 Fiscal Year Annual Research Report
The role of ID protein family on proliferation and invasion of salivary gland cancer cells
Project/Area Number |
15K11257
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
住田 知樹 九州大学, 大学病院, 講師 (50314951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 悦秀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (00231639)
山田 朋弘 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (60335619)
中野 旬之 九州大学, 大学病院, 講師 (60511730)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 唾液腺癌 / Id2 / 扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Idタンパク(Inhibitor of DNA-binding/differentiation)は細胞の増殖の調整や分化を阻害するbasic helix-loop-helix型転写因子の抑制をしているとされている。Idタンパクは1~4の4つのサブタイプをもつが口腔癌細胞におけるId2の役割はこれまで明らかになっていなかった。そこでまずId2発現を欠如した口腔扁平上皮癌細胞を用いてId2の細胞増殖・浸潤に及ぼす役割を調べた。Id2発現のない唾液腺癌細胞、口腔扁平上皮癌細胞にId2遺伝子の導入を行い、それぞれ細胞増殖能、浸潤能、マトリックスメタロプロテアーゼの発現の解析などを行った。Id2導入によりCa9-22は増殖能、浸潤能ともに促進を認めた。Id2発現細胞はN-cadherin,Vimentinの増加を認め、上皮間葉転換を認めた。MMP2、MMP9の発現と活性亢進を認めた。免疫沈降ではId2とジンクフィンガー転写因子であるSnailファミリーのSNAIL1と直接結合することが明らかとなった。Id2の強制発現は悪性形質の促進に働くとわかり、中でもId2-Snail axisが浸潤能へ強く関与していることが示唆された。この結果よりId2は口腔癌の悪性形質獲得に重要な働きをしていることが考えられた。 また、Id2抑制系の実験ではId2高発現細胞株である唾液腺癌細胞、口腔扁平上皮癌細胞を用いて実験を行った。先に述べた強制発現系の実験とはほぼ逆の結果が得られ、間葉上皮転換がみられるなど、Id2抑制により悪性形質も抑制された。こちらでもId2とSnailの相互作用は確認された。 これまで明らかになっていなかったId2の唾液腺癌、扁平上皮癌における働きを明らかにすることができた。
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[Journal Article] Deregulation of Nicotinamide N-Methyltransferase and Gap Junction Protein Alpha-1 Causes Metastasis in Adenoid Cystic Carcinoma.2018
Author(s)
Ishibashi K, Ishii K, Sugiyama G, Sumida T, Sugiura T, Kamata YU, Seki K, Fujinaga T, Kumamaru W, Kobayashi Y, Hiyake N, Nakano H, Yamada T, Mori Y.
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Journal Title
Anticancer Res.
Volume: 38
Pages: 187-197
Peer Reviewed
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[Journal Article] Regulation of β-Catenin Phosphorylation by PR55β in Adenoid Cystic Carcinoma.2018
Author(s)
Ishibashi K, Ishii K, Sugiyama G, Kamata YU, Suzuki A, Kumamaru W, Ohyama Y, Nakano H, Kiyoshima T, Sumida T, Yamada T, Mori Y.
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Journal Title
Cancer Genomics Proteomics.
Volume: 15
Pages: 53-60
Peer Reviewed / Open Access
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