2016 Fiscal Year Research-status Report
骨再生医療のための新規羊膜上培養骨膜由来細胞シートの開発に関する研究
Project/Area Number |
15K11261
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 傑 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90398389)
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
本城 賢一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00756877) [Withdrawn]
足立 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10613573)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
羊膜は抗炎症・感染抑制作用等を有し,種々の手術療法に用いられ,移植材料としてだけでなく培養基質としても高い有用性・有効性が注目されている.われわれはこの羊膜に注目し,新規骨膜由来細胞シートの作製を念頭に,羊膜上にて骨膜由来細胞の培養を行い,免疫組織学的検討な検討を加えた.羊膜は,帝王切開時の胎盤より採取したもの,および再生医療支援機構・近畿羊膜バンクからの研究用羊膜の譲渡・供給を受け,研究に供した.骨膜組織は,口腔外科手術時の粘膜骨膜弁作製時に,歯槽骨上にある組織を骨膜組織として採取した.得られた骨膜組織の初代培養を行い,3から4代継代したものを骨膜由来細胞とした.得られた細胞を,上皮細胞を剥離・除去した羊膜上に播種し3週間の培養を行った. 骨膜由来細胞は羊膜上にて層状構造を示し,免疫染色像では細胞増殖マーカーであるKi-67,間葉系細胞マーカーであるvimentin,骨芽細胞マーカーであるosteocalcinの発現が認められた.また、デスモソームのマーカーであるdesmoplakinおよびタイト結合のマーカーであるZO-1が発現し,細胞シートを形成していた.骨膜由来細胞は羊膜上で1枚の細胞シートを形成して増殖しており,羊膜は培養に適当な基質であることが示された.骨膜には骨芽細胞や骨細胞へ分化する能力をもつ細胞が含まれているとされ,細胞シートにて骨芽細胞が産生するタンパクの発現を認め,羊膜を用いた骨膜由来細胞シート作製が可能であることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨膜由来細胞は羊膜上で1枚の細胞シートを形成して増殖しており,羊膜は培養に適当な基質であることが示された.また,細胞シートにて骨芽細胞が産生するタンパクの発現を認め,羊膜を用いた骨膜由来細胞シート作製が可能である研究結果が得られており,研究はおおむね順調に進展していると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
作製した培養細胞シートを,実験動物への移植を行い,細胞の遊走増殖を経時的に観察し組織学的,免疫学的検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
年度内に研究試薬の調達が間に合わず、予定額を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究試薬の調達、購入に使用する予定である。
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