2015 Fiscal Year Research-status Report
エピジェネティクスの概念から判断するセツキシマブ投与前の新たな評価基準
Project/Area Number |
15K11277
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
近藤 忠稚 神奈川歯科大学, 歯学部, その他 (00587727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 重幸 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (40434394)
宮本 千央 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (50633963)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CXCL14 / ケモカイン / エピジェネチック異常 / セツキシマブ |
Outline of Annual Research Achievements |
セツキシマブの抗腫瘍効果に関与する要因としてはKRAS、BRAF、PIK3CA等の遺伝子変異の有無が最も有力な説である。しかしながら、必ずしも変異の有無のみでは説明がつかず、既知の遺伝子変異が無くとも、セツキシマブに反応を示さない症例に出会う機会は多い。遺伝子変異の検出される症例が少ない頭頸部癌において、セツキシマブ単剤では効果を示さず、放射線治療や従来の抗がん剤との併用を推奨されていることもその事象を意味する。以前我々は、頭頸部扁平上皮癌におけるメチル化異常の頻度を、CXCL14を標的分子として検討した。結果として、多くの頭頸部扁平上皮癌細胞で異常メチル化により、CXCL14の発現が消失していることを解明した。さらに、異常メチル化している癌細胞に対して脱メチル化剤をセツキシマブに併用することで、セツキシマブが抗腫瘍効果を示すようになることを明らかにした。研究期間内に遂行する目標として平成27年度は、あえてセツキシマブの抗腫瘍効果に関与するKRAS、BRAF、PI3KCAに遺伝子変異が存在せず、CXCL14のプロモーターがメチル化している細胞を使用しin vitroの実験を行う。まず、CXCL14以外にメチル化を受ける分子を検索するため、メチル化アレイ法で網羅的に解析する。前述した遺伝子変異が存在しないにもかかわらず、セツキシマブの効果を示さない細胞はすでに確認済みである。(HSC-3、YCU-H891細胞共に遺伝子変異は存在しないがYCU-H891細胞に対してはセツキシマブは抗腫瘍効果を示さない)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子変異が存在しないにもかかわらず、セツキシマブの効果を示さない細胞を用いてアレイ解析は行っている。その後in vitroでの実験の条件検討に時間を要したため、実験はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
メチル化解析をもとにin vitro での実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
in vitroでの条件検討に時間を要し、実験が進まなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
in vitroの実験に研究費を使用する予定。
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