2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K11291
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
内田 堅一郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (20379986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹縄 隆徳 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (30711270)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 癌 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌では、比較的狭い染色体領域の著しいコピー数の増加である、増幅と呼ばれる染色体異常が11番染色体に高頻度に生じる。われわれは,増幅が生じる領域にコードされている遺伝子のなかで,MYEOV遺伝子が口腔扁平上皮癌で高発現していることを発見した。MYEOV遺伝子の増幅は他の癌腫でも報告されているが、その役割は不明である。本研究では、MYEOV遺伝子の機能を明らかにするために、MYEOV遺伝子の発現抑制の影響や共免疫沈降法を用いて相互作用を有する分子を同定する。さらに、得られた結果から、MYEOV遺伝子の口腔扁平上皮癌の発生や進展過程における役割を明らかにする。MYEOV遺伝子を高発現している口腔扁平上皮癌由来細胞である、CA9-22細胞およびHSC4細胞を研究に供した。これらの細胞は、正常角化上皮組織由来細胞や口腔上皮異形成症由来細胞よりmRNAレベルで100倍程度高発現しており、Western BlottingでもMYEOVの発現を確認している。これらの細胞は、1nMのMYEOV遺伝子に対するSiRNAを導入することにより、導入後24から72時間の間mRNAレベルで約90%のMYEOV遺伝子の発現低下を認め細胞増殖能の低下を認めた。同条件で、RNAシークエンシングを施行するために、RNAをTorizol Column法でRNA抽出した。同法で抽出したRNAの質がシークエンシングに適しているか、Agilent Bioanalyzar、Qubit Fluorocent meter、リアルタイムPCR法で検討したが、mRNAの分解が無い高品質なRNAが抽出できていた。RNAシークエンシング施行し、現在データ解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の予定通り、RNAシークエンシングを施行した。現在、データ解析を委託し、結果を待っている状態であるが、近日報告を得る予定である。また、RNAシークエンシングの結果に基づいて、MYEOVと関連遺伝子の発現変化を検討する予定であるが、既に、サンプルを調整済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAシークエンシングの結果に基づいて、mRNAレベルおよび蛋白レベルでの遺伝子発現の変化を検討する。細胞浸潤能や抗癌剤感受性に関しても、MYEOV遺伝子の発現変化の影響を検討する。また、免疫組織染色を用いて、口腔癌症例の組織標本においてもMYEOV遺伝子と関連遺伝子の発現の関係を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
RNAシークエンシングに関しては外部に委託しており、現在解析データの供与を待っている状態である。解析データを得次第、解析費用を納入予定である。また、同結果におうじて、MYEOV関連遺伝子の発現解析に必要なPCRアッセイ、抗体を購入する必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
RNAシークエンシングの結果を得次第、細胞アッセイ、免疫組織染色、リアルタイムPCR、蛋白発現解析の計画を立案し、必要な試薬を購入する。
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